タリーズコーヒー、カスハラ対策が最高 名札に隠された「秘密」に驚き

昨今、カスタマーハラスメントが問題視される。タリーズコーヒーは、いち早く対策を講じていて…。

2023/05/08 04:15


飲食店や百貨店のスタッフ、タクシーの運転手──。そうした人達は名札を付けて働くことが多い。だが、最近名札を廃止するケースも見受けられる。

タリーズコーヒーの名札は一味違っていて…。



 

■「名札廃止」が進む

4月17日、国土交通省は、バスやタクシーの車内で義務付けていた運転手の氏名掲示を廃止することを発表した。プライバシーを守り、働きやすい環境を作るため、6月下旬にも適用を目指すとのこと。

廃止の背景には、ネット上での誹謗中傷が挙げられる。名札を見た人が、SNS等で運転手に心無い言葉を浴びせる事案もあったため、運転手が安心安全に働けるよう対策を講じたのだ。


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■昨年からイニシャルの名札に

バスやタクシーに限らず、飲食店でも、従業員の名札を見直す飲食店が増えている。タリーズコーヒーもその一つだ。

タリーズコーヒー

これまで、同店では名札に名前を印字していたが、昨年5月からイニシャル表記に変わった。なぜ、イニシャル表記になったのだろうか。タリーズコーヒーを運営するタリーズコーヒージャパンに取材した。


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■イニシャル化の背景

タリーズコーヒージャパンの担当者によると、店舗のスタッフがSNSで誹謗中傷されるなどの重大な事案が起きたわけではないという。

「タリーズコーヒー店舗では従業員同士、下の名前で呼び合う風習があり、名札にも下の名前を記載していました。ただ、近年、他の飲食店等でお客様がスタッフのことをSNSで書き込むケースが散見されます。当社の従業員の中には、名前を表に出すことに不安を覚える人もいました。従業員が安心して働ける環境を作ろうと考え、イニシャル化することにしました」(担当者)。

近年、客の店員に対する常軌を逸した言動「カスタマーハラスメント」が問題視されている。イニシャル名札もカスハラ対策の一つだと言える。


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■従業員の反応は…

こうした取り組みは、若い従業員の要望に応えるためでもあるようだ。前出の担当者は、「アルバイトで新しく入った従業員の中には、名札を付けて仕事することに抵抗を覚える人もいました。名札を付けるかどうかでアルバイト先を決めることもあるようです」と話す。

イニシャルの名札が導入されて約1年経つ。従業員の反応を尋ねたところ、「新しく入った従業員の中には、イニシャル化になりプライバシーが守られることで、本来の接客やオペレーションに集中できるようになったようです」(前出・担当者)という回答を寄せてくれた。

飲食店や企業はカスハラ対策に乗り出している。だが、客の意識も変える必要がある。店員も1人の人間であることを肝に銘じ、常識から外れた言動は慎まなければならない。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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