『遍羅』は何と読む? 名前の由来はヘラヘラと泳ぐ姿だという説もあるが…
東日本では釣っても捨てられることが多いというあの魚、大きいものでは2mを超えるものも。
約半数の人が正しく読めなかったこの魚。ある地域では高級魚として人気があるが、釣ってもすぐに捨てられる、いわゆる“外道”扱いをされることもあるという。
■「遍羅」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「遍羅」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で51.0%の人が「べら」、49.0%の人が「ぼら」と読むと回答した。
「べら」と読む人は男性が54.9%で女性が47.0%。「ぼら」と読む人は、男性が45.1%、女性は53.0%という結果に。
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■正しくは「べら」
「遍羅」の正しい読み方は、「べら」。スズキ目ベラ亜目ベラ科に属する魚の総称。世界中の暖かい海に分布しており、日本近海では磯やサンゴ礁などに約130種が生息している。
その名の由来は、海草の間や岩の裂け目をヘラヘラと泳ぐ姿から来ているとの説もあるが、詳細は定かではない。
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■関西では高級魚として人気
「べら」は、4亜科・60属・500種ほどが知られる大きな科で、全長10センチメートルほどのホンソメワケベラから、2メートル以上に達することもあるメガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)まで大きさも種によりさまざまだ。
食用としては、関東地方など東日本では評価が低く、釣ったその場で捨てられることもあるようだが、関西では高級魚として人気があり、刺身、煮付け、唐揚げ、南蛮漬けなど、いろいろな調理法で食べられているという。
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■「ぼら」の漢字は「鯔」
「ぼら」は「鯔(鮱・鰡)」と書く。ボラ目・ボラ科に分類される魚の一種で、ほぼ全世界の熱帯・温帯に広く分布している。
環境への順応性が高く雑食のため、汚染した水域で採れるものは臭みが強く、「べら」同様に釣ってすぐに捨てられてしまうことも多いが、綺麗な水で育ち臭みのないものは刺身、洗い、味噌汁、唐揚げなど様々な料理で食べられている。
中でも、メスの卵巣を塩漬けし乾燥させたカラスミは日本の三大珍味と呼ばれ、塩辛くねっとりとしたコクのある味わいは、酒の肴として珍重されている。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)