阪神・大竹耕太郎が開幕から無傷の5連勝 雨の試合も「逆に元気が出るくらい…」
阪神タイガース・大竹耕太郎投手が開幕から無傷の5連勝を上げ、岡田彰布監督の指揮官としての通算600勝目を飾った。
脚の上げ方や腕の振り方。その投球フォームは、読売巨人軍や福岡ソフトバンクホークスなどに所属し、米大リーグ・レッドソックスでもプレーした岡島秀樹投手に、どこか似た雰囲気を感じさせる。
現役ドラフトでソフトバンクから阪神タイガースへ移籍した大竹耕太郎投手が開幕から無傷の5連勝を飾り、チームをけん引している。
■雨でも精度落ちず
13日に本拠地・甲子園球場で行われたDeNA戦。試合前から降り続く雨で、回を追うごとにグラウンドの状態は悪くなる一方だった。それでも、得意のチェンジアップを軸に、左腕から繰り出すボールの精度が落ちることはなかった。
「砂漠に生えている植物をイメージして投げた」。試合後、大竹投手はユニークなコメントを残している。
ぬかるむマウンドに気持ちが萎えるどころか、むしろ「天からの恵み」に感謝しながら、セ・リーグ首位打者の宮﨑敏郎や4番を打つ牧秀悟ら右の強打者が居並ぶ強力打線に挑んだ。
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■愛称「大雨降太郎」もお気に入り
特筆すべきは、与えた四球がわずか1つだったこと。抜群の制球力で6回を96球にまとめ、被安打4、1失点と試合を作り、リーグトップの5勝目を挙げた。この日は、2安打3打点と大暴れした新外国人ノイジーとともにお立ち台に上がる。
「雨だから嫌じゃなくて、逆に雨だから元気が出るくらいの気持ちで投げました」。
じつは雨には少なからず縁がある。今シーズン初の先発登板を予定していた4月5日の広島戦(マツダ)が降雨中止となり、同15日のDeNA戦(横浜)も雨で流れた。
「雨柳さん」の異名を持つエース青柳晃洋投手に続く雨男の登場に、SNSでは名前をもじった愛称が続出。中でも「大雨降太郎」は本人もお気に入りのようだ。
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■岡田監督「驚いています」
試合後の勝利監督インタビューで、岡田彰布監督は早大の後輩でもある大竹投手について、「すごいですね。驚いています」と白い歯をのぞかせた。7−2の快勝劇で飾った今季19勝目は、岡田監督が指揮官として手にした通算600個目の白星だ。
大竹投手はお立ち台から4万2,000人を超える大観衆に向け、「節目の勝利をプレゼントできたことはうれしく思う。監督を胴上げするため、これからも全身全霊で投げたい」と力強く語った。
育成からはい上がり、新天地でまばゆいばかりの光を放ち続ける背番号49。次回の先発予定は、20日の広島戦だ。今季初勝利を挙げた相手を同じ甲子園球場で迎え撃ち、昨年未勝利から自己最多のシーズン6勝目を目指す。
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■執筆者プロフィール
前嶋光太郎:1970年島根県出身。幼い頃からスポーツや芸能の世界に興味を持ち、高校ではミスタータイガース・掛布雅之氏にあこがれて甲子園を目指した。
大学卒業後は新聞社に就職。警察や行政などを担当した後、スポーツ記者として野球やゴルフ、テニスなどを中心に取材。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の取材が転機となり、プロ野球の魅力を伝えたいと2010年にフリーへ転身した。現在は大阪を拠点に、しばらく中断していた執筆活動を2022年末から再開している。
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(取材・文/Sirabee 編集部・前嶋光太郎)