ライオンズ本拠地に知られざる“百段階段”、対戦球団やマスコミから「あれはヤバい」の声

埼玉西武ライオンズの本拠地「ベルーナドーム」。関係者しか入れない場所に通称「百段階段」があって…。

2023/06/02 12:45


埼玉西武ライオンズ

プロ野球は先月30日から、セ・パ交流戦が各地で繰り広げられている。まずパ・リーグの本拠地からスタートしたのだが、セ・リーグ首位を独走中の阪神が31日の埼玉西武戦に敗北し連勝を「9」でストップ。さらに6月1日の試合も落とし、5カードぶりにカード負け越しを許してしまった。

そんな阪神が負け越したベルーナドームでは、チームやマスコミの間で話題に挙がる通称「百段階段」が存在している。



■関係者しか知らない階段

ベルーナドーム「百段階段」

一塁、三塁側のベンチ裏、バックネット裏辺りの合計3か所に設置されている百段階段。

ビジターチームの場合は、一塁側ベンチ裏の百段階段を行き来しなければロッカールームにいけない構造になっており、試合後は、バックネット裏の百段階段を登り、さらに螺旋階段を登らないとバスが停められている駐車場には辿り着かないのだ。


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■往復がかなりキツい

これには慣れないビジターの選手たちから「あれはヤバい」「何とかならないのか?」「エスカレーターをつけるべき」など不満の声が以前から殺到しており、監督やコーチ、そして取材をする我々マスコミ陣も登り切ったころにはクタクタな状態。

コロナ禍前は一部マスコミは取材後、再びグランドレベルまで降りなければいけないというまさに心臓破りの階段である。


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■エスカレーター設置不可

観客目線で一番わかりやすく例えると、西武ナインが勝利を収めたときに上がるバックネット裏の長階段「ビクトリーロード」がベンチ裏にもあると言えば分かっていただけるだろう。

2017~21年にベルーナドームが改装されると聞いたとき、マスコミの間では「ついにあの階段も変わるのか」という期待もあったが、階段は現在も健在だ。じつは西武球場時代からの構造上、あの幅にエスカレーターを上り、下りとふたつ作るのは不可能であり、エレベーターを設置するスペースもないのだ。


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■故・仰木彬監督の逸話

オリックスの故・仰木彬監督は監督最終年にこの階段を登れないため、バックスクリーンの下を開けて、グランドからタクシーまで歩いて帰っていたという話があるほど、この階段は過酷なのだ。試合中に足を怪我した選手はたまらないだろう。

観客にとっては夏は蒸し暑く、冬は寒いという永遠の問題を抱えているベルーナドームだが、この球場を本拠地にしている西武ナインは自然と足腰を鍛えられているはずである。ちなみに今年の交流戦では、中日と東京ヤクルトがベルーナドームで試合をする。

今後、大規模改修工事があるのなら、まずこの階段問題から着手してもらいたい。そう願う選手が多くいるのは間違いない。


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■執筆者プロフィール

どら増田

どら増田:1973年神奈川県横浜市出身。幼い頃に初代タイガーマスクに衝撃を受けてからプロレスや格闘技を見続けている。同じく幼い頃から見ていたプロ野球は紆余曲折を経て2010年からオリックス・バファローズを応援。

音楽やエンタメ、グルメなどのイベントプロデュースの仕事をしていたが、2014年からスポーツライターの道へ。

横浜在住にもかかわらず京セラドーム大阪を中心にオリックスを現場取材する傍ら、新日本プロレスやスターダム、RIZINなどプロレス・格闘技の現場取材をしつつ多媒体で執筆している。

2018年にはスカイAで放送されたオリックス山本由伸と当時はキックボクサーだった那須川天心の神童対談実現に尽力した。ペンネームの由来はレジェンドレスラー藤波辰爾のドラゴンから来ており、取材を通じて藤波本人から公認を貰っている。

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(取材・文/Sirabee 編集部・どら増田

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