50年前のエアコン、ダメ元で機動させて驚き… 「これぞメイドインジャパン」と称賛相次ぐ
20年間稼働させていなかった45年前のエアコン。ブランクを感じさせない働きぶりを見せ、「さすがメイドインジャパン」と称賛の声が相次いでいる。
早くも蒸し暑い日が続く昨今。約10カ月ぶりに、エアコンの「冷房機能」を稼働させた人も多いことだろう。
なお以前ツイッター上では、長年稼働していなかったにも関わらず無事に動き出した「半世紀前のエアコン」に、驚きと称賛の声が多数寄せられていたのだ。
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■20年間動かしていないエアコンだが…
今回注目したいのは、電気工事業者の「量販店エアコン工事ねこ」さんが投稿した1件のツイート。こちらの投稿には全体が錆びついた、ひと目で「年代物」と分かるエアコン室外機の写真が添えられている。
流石にこの状態では稼働は望めないだろうな…と思いきや、ツイート本文には「20年使っていなかったという45年前の名機チロルをポンプダウンさせたら、ちゃんと動いて冷えたときに、日本製品を誇らしく感じました」と、驚きの1文が綴られていたのだった。
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■シャープ公式も「オーパーツ」と驚き
「20年間」使用していなかった「45年前」のエアコンが現役で稼働した、という驚きの情報満載なツイートは多くの人々に衝撃を与えており、「これは感動しますね」「この頃のメイドインジャパンの誇らしさよ」「さすが、在りし日の日本製…」など、称賛の声が多数寄せられていた。
オーパーツかもしれない https://t.co/uHG4z22PkH
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) May 18, 2023
さらには、同エアコンのメーカー「シャープ株式会社」公式アカウントも「オーパーツかもしれない」と、引用RTにて驚いた様子を見せており、完全にノリノリである。
そこで今回はツイート投稿主・量販店エアコン工事ねこさん、並びにシャープ広報に、同エアコンに関する直撃取材を実施することに。その結果「メイドインジャパン」の誇りを思い出さずにはいられない、感動的なエピソードが多数明らかになったのだ。
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■発見時のエピソードがエモすぎる…
早速、ツイートにも名前があったエアコン『チロル』についてシャープに尋ねたところ、かなり古いモデルにつき、正確な回答はしかねるとのこと。
残念ながら詳細は謎のままか…と落胆したのも束の間、なんとシャープは過去のカタログを一つ一つ確認するという地道な努力を重ねてくれており、担当者からは「カタログには1970年~1982年の期間にて、掲載を確認できました」との回答が得られたのだ。1970年といえば、今から53年も前である。
続いて、量販店エアコン工事ねこさんにツイート投稿の経緯を聞くと、件のチロルは利用客の実家解体に伴うエアコン取り外し時に遭遇したものと判明。
当時の様子について、量販店エアコン工事ねこさんは「この20年間全く使用していないということでしたが、好奇心が勝ってコンセントを入れ、冷房運転してみたところ、ものの数秒で室外機が稼働してみるみる部屋が涼しくなっていく様子に『MADE in JAPAN』を感じ、お客様と一緒に拍手してしまいました」と振り返っている。
とはいえ「20年間未使用」というコンディションは伊達でなく、室内機から噴き出したカビで床一面が真っ黒に。室外機のファンから飛び出したゴミ類については「紅白歌合戦のフィナーレのように舞っていました」とのコメントが得られたのだった。
職業柄、様々なエアコンを目にし、実際に触る機会の多い量販店エアコン工事ねこさん。「チロルに限らず、昭和40〜50年代に製造されたエアコンで、壊れて動かない機種に出会った記憶はないですね」「コストやノルマに追われることなく『良いものを造る』ということに集中して働けた、良い時代だったのかなぁと感じています」と、しみじみ胸の内を語ってくれたのが、じつに印象的であった。
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■「日本のもの作り」の矜持を感じる…
また、シャープツイッターの「中の人」からも、「古いシャープ製品の生存報告はツイッターでしばしばお見かけしたり、それにまつわる思い出が直接寄せられたりするので、私自身も楽しみだったりするのですが、40年以上前のエアコンは初のケースでした」「しかもそのエアコンがメンテナンスを経て現役だとお伺いして、なんだか私まで誇らしい気持ちになりました」とのコメントが寄せられている。
残念ながら既にチロルは廃盤品だが、その意思は現在のシャープ商品にも受け継がれている。シャープがイチオシしているのが「R-Xシリーズ」で、こちらは新機能「CO2センサー」を搭載のほか、換気タイミングを発話で通知する新時代のエアコン。
他にもシャープ独自の空気浄化技術「プラズマクラスターNEXT」や、フィルターから送風路まで清潔に保つ「風クリーンシステム」、「簡単お手入れ構造」を採用し、エアコンを使用するうえで気になる「清潔性」に関してもしっかりフォローしている。
また、担当者は「23年度は電気代や省エネが注目される市場になると想定しております。本体センサーを活用した運転制御と、天気予報と連動したAIoT(インターネットと人工知能を組み合わせた技術)による省エネ制御を搭載している本機への買い替えにより、ランニングコスト低減も訴求しております」と、太鼓判を押していたのだった。
今から50年後、現役で稼働する「R-Xシリーズ」が発見され、SNSで大いに話題となる…といった未来も、大いに考えられるだろう。