40年ぶりの陸上自衛隊「小銃乱射」事件はなぜ起きたのか 新人教育隊には防弾チョッキもなく…

陸上自衛隊日野基本射撃場で発生した小銃乱射事件。容疑者と同じく第10師団に所属していた筆者が原因を分析する。

2023/06/14 13:55



■2佐の役職を1尉が

また、もう1点気になるのは、危機管理と新人教育を担う人材の問題だ。通常、普通科連隊では2等陸佐である副連隊長が教育隊長を兼任する。

しかし、今回事件が起きた第35普通科連隊では、副連隊長は2佐だが、教育隊長ポストにはその2階級下の1尉を異例抜擢している。

通常教育隊長となる副連隊長(2佐)は、必ず1尉か3佐のときに幹部特修課程(FOC)という1年間の教育を富士学校で修了。その後各普通科連隊で連隊作戦運用部署のトップである中隊長や連隊本部第3科長を務め、2佐に上がって副連隊長・教育隊長につく。

こうした幹部教育や管理する人材に問題があったのではないだろうか。


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■射撃訓練は数ヶ月中止か

陸上自衛隊では40年ぶりとなる小銃乱射事件を受け、おそらく数ヶ月間は陸海空、全ての自衛隊で射撃訓練が禁止になるのではないだろうか。今日や明日に予定されていた部隊の訓練もすでに全て中止になっている。

実弾訓練だけでなく、当面の間、空包射撃についても全自衛隊でできなくなる可能性もある。


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■執筆者プロフィール

安丸仁史(やすまるひとし):1994年福岡生まれ、福岡育ち。防衛大学校(人文・社会科学専攻)中退後、西南学院大学文学部外国語学科卒業。 2017年陸上自衛隊に幹部候補生として入隊。

職種は普通科で、小銃小隊長や迫撃砲小隊長、通訳などを務める。元レンジャー教官。自称お祭り系インスタグラマー。お祭りとパンクロックをこよなく愛する。

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(取材・文/Sirabee 編集部・安丸仁史

陸上自衛隊
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