ウクライナが絶対に休戦協定・和平交渉を結んではいけない理由 戦闘開始からまもなく1年半

依然として戦闘が東部で続くウクライナ。今に来てウクライナの攻勢も勢いが鈍り、ロシアは粘りの戦いを続ける。しかし、休戦や停戦は絶対にできない。

2023/07/18 20:00


ウクライナ

戦闘が開始されてもうすぐ1年半となるが、ロシア軍兵士の犠牲者が数万人とも指摘される中、事態打開に向けての動きは依然として何も見られない。そのような中、世界や日本の一部からは双方に休戦や停戦、和平交渉を求める声が広がっている。


 


 

■停戦や休戦を求める声

市民や兵士を問わず、もうこれ以上犠牲者を出すな、もうこれ以上の悲しみや苦しいは要らない、そういった声が聞かれるのは自然なものと言えよう。誰だって戦争によって犠牲者が増えることは辛いはずだ。

しかし、筆者も犠牲者が増え続けることに悲しみや痛みを覚える一方、今ウクライナは休戦や停戦、和平交渉に絶対に応じてはならないと思う。


関連記事:中国がウクライナに提示した仲裁案 国際情勢を破壊する恐れも

 

 

■見せかけの停戦や休戦・和平に騙されるな

仮に、今ウクライナがロシアと戦争停止や和平に向けてロシアと交渉し、いずれかが実現すればどうなるだろうか。確かに戦闘はストップし、犠牲となる兵士は減り、ロシアからロケットやドローンが飛んでくることもなくなるかも知れない。

しかし、現状維持で戦闘ストップとなれば、ウクライナ領土に侵入し、今でもロシア軍が支配する地域はそのまま残るのだ。

それをウクライナがOKとしてしまえば、プーチン大統領の思う壷だ。いずれ勢いづいたロシアが再び他のウクライナ領土の支配に向け、軍事活動を再開する可能性は十分にあり、停戦や休戦、和平などはウクライナにとって何も良いことはないのだ。

また、それは中国を勢いづかせる。中国もウクライナが和平に今応じれば、民主主義国家は専制主義国家に負けたと自信を深め、いずれは台湾有事のハードルを下げることになりかねない。これは極めて危険な停戦や休戦、和平なのだ。

・合わせて読みたい→終わらないウクライナ戦争、核ミサイル開発… 「第二次世界大戦の遺物」国連は機能しているか?

(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中

ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか デジタル時代の総力戦【Amazonでチェック】

ドローンロシアウラジーミル・プーチンロケットウクライナ台湾有事ウクライナ戦争休戦協定和平交渉
シェア ツイート 送る アプリで読む

人気記事ランキング