阪神タイガース、貯金が今季最多25に 18年ぶりリーグ優勝に拍車
22日の中日戦でのサヨナラ勝ちで3連勝をおさめた阪神タイガース。岡田彰布監督のコメントからは、確かな自信が見て取れた。
18年ぶりのリーグ優勝を目指す阪神タイガースの足取りが、力強い。22日の中日戦は延長十回にサヨナラ勝ちして3連勝。長期遠征が終盤を迎える中、貯金は今季最多の25になった。
■島本浩也「絶対に抑えてやろうと」
29日からは本拠地・甲子園球場に戻り、DeNAとの2連戦。岡田彰布監督が言い続けてきた「勝負の9月」に突入する。
3万6,110人のファンが詰めかけた京セラドーム大阪。4時間25分の熱戦を終えたグランウンドのお立ち台に、2人のヒーローが呼ばれた。
1人は十回一死一、二塁から好救援を見せた3番手・島本浩也投手だ。「絶対に抑えてやろうと思ってマウンドに上がった」。好調の中日・宇佐見真吾選手をフルカウントから空振り三振に仕留めると、木下拓哉選手には申告敬遠で満塁策を取った。
続く、溝脇隼人選手へのカウントが2ボールになったところで、マウンドに駆け寄った坂本誠志郎捕手からは、こう言われたそうだ。「信頼しています」。直球で追い込み、最後は変化球で打ち取って追加点を許さず、勝利への道筋をつけた。
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■大山悠輔「ひと安心しました」
もう1人は4番大山悠輔選手だ。「それまでピッチャー陣が必死に抑えてくれましたし、前の打者が必死になってつないでくれたので、ここはしっかり決めるべきだと思って打席に入りました」。十回二死満塁。2ボール1ストライクからの4球目を振り抜いた打球は左前へ。
「ヒットだと思ったので、勝ったなあと。ひと安心しました」。優勝へのマジックナンバーが25に減っても、「まずは一つ一つなので、目の前の1試合をチーム一丸となって戦っていくだけだと思います」と力強く語った。
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■岡田監督「もっとすっきり…」
試合後の勝利監督インタビュー。岡田監督は「先発の西勇輝を含めて、リリーフ陣もよく投げてくれた」とねぎらう一方、二死走者なしから、二つの四球などで好機を作った十回の攻撃にも触れた。「大事なところでボール球を振らないというか、それができている」。
22日現在の四球は12球団トップの390個。開幕前、監督が四球の査定ポイントを上げるよう球団に要望したことで、好球必打の意識がチーム内に浸透しているようだ。
スタンドがわき上がった今季8度目のサヨナラ勝ち。「(今日のように)追い付いてのサヨナラ勝ちはいいけど、もっとすっきり勝てたほうがいいよ」。そう言って笑顔を見せた指揮官が、言葉と継いだ。
「みんなの力で勝てたから、明日も同じような形で頑張りたい」。試合を振り返った穏やかな表情の裏に、確かな自信が見て取れた。
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■執筆者プロフィール
前嶋光太郎:1970年島根県出身。幼い頃からスポーツや芸能の世界に興味を持ち、高校ではミスタータイガース・掛布雅之氏にあこがれて甲子園を目指した。 大学卒業後は新聞社に就職。警察や行政などを担当した後、スポーツ記者として野球やゴルフ、テニスなどを中心に取材。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の取材が転機となり、プロ野球の魅力を伝えたいと2010年にフリーへ転身した。現在は大阪を拠点に、しばらく中断していた執筆活動を2022年末から再開している。
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(取材・文/Sirabee 編集部・前嶋光太郎)