相次ぐ「軽装登山」、命に関わるリスクが潜んでいた 地上との“ギャップ”に要注意
近年、「軽装登山」が問題視される。専門家に山登りの際の注意点を聞いた。
9月になって涼しく感じる日が増えた。そろそろ、登山に繰り出そうと考える人もいるだろう。近年、ラフな服装で山を訪れる人が見受けられる。
「軽装登山」には様々な危険が潜んでいて…。
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■富士山登山中の服装に衝撃…
5日、富士山を登山中、行方不明になっていた19歳のアメリカ人男性が救助されたことが報道された。命に別状がなく、無事救助されて何よりだ。
ただ、救助された際の服装は白いTシャツに黒いズボンと軽装だったことが判明。「軽装登山」は、近年外国人観光客などに見受けられる。
言うまでもなく、こうした服装で山に登れば怪我や事故につながる危険がある。
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■ネット上では厳しい指摘も…
ネット上でも、「軽装登山」を問題視する声は多い。「外国人だけじゃなくて観光ついでに舐めてかかる人が多いと思う」「標高高い山なのに日本人でも短パン、生足、タンクトップみたいな服で登る人見たことある」「軽装登山は命に関わる事故につながりかねない」「ちゃんと規制作ったほうがいい」といった、厳しい意見があがっている。
山登りの際、どんな服装で臨めばいいのか、公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)に取材した。
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■標高の低い山に登る際の服装
今回は、夏から秋にかけて、比較的標高が低い山に登る際の要点を聞いた。特に、こうした山は観光感覚で訪れる人が多いと考えられるからだ。
JMSCAの担当者によれば、レイヤードスタイル(重ね着)が好ましいという。「夏場は一番下に汗を吸う吸水性の良い半袖を着て、その上から長袖を羽織るようにしましょう。夏場に限らず、基本的には長袖が望ましいです。暑い時、寒い時に脱いで調整できますからね。下は綿やジーンズ、短パンなどラフな服はあまりおすすめできません」(担当者)。
山の天気は変わりやすいので、防風や雨に強い素材を選んだほうがいいとのこと。
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■地上にいる時との「ギャップ」
標高が低い山だとサンダルで登る人も見受けられるが、担当者は「サンダルに土が入ると、小さな傷口から破傷風菌が入り、破傷風になる危険があります。また、基本的に山道は舗装されていないので、サンダルやハイヒールは不安定で捻挫しやすくなります」と注意を促す。
登山の靴と聞くとガッシリした重厚なデザインを想像するかもしれないが、靴メーカーでは日帰りのハイキングにも使える全天候に対応したカジュアルなデザインの靴も販売しているので、そうした靴を履くようにしよう。
多少涼しくなったとはいえ、まだ暑い日も多い。つい普段着ているTシャツを選びたくなるかもしれない。担当者によれば、地上にいる時と頭を切り替える必要があるという。
「山は冬の訪れが早いので、地上の感覚で涼しい服装で行くと寒く感じます。夏でも低体温症になることがあるので、油断しないようにしましょう」(担当者)。
地上と山の「ギャップ」を考えず、軽装で臨めば、最悪の場合命を落とすことになりかねない。「低い山だし大丈夫」といった気持ちは捨て、準備を整えて山登りを楽しんでほしい。
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■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。
仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)