甲子園で優勝した慶応高校 一方で、“塾生全員が喜んでいるわけではない”理由は…
今年の甲子園では、連覇を目指す仙台育英と103年ぶりの優勝を狙う神奈川県代表の慶応が対戦。慶応が勝ったが、慶応大学では嬉しくない人たちも。
甲子園の決勝は圧倒的な慶応ファンで占められた。慶応は神奈川だけでなく、北海道から沖縄まで三田会があり、全国各地にOBOGがいる。
■甲子園で揺れた慶応ブランド
もちろん関西にも大勢の慶応OBOGがいて、それは甲子園決勝でも明らかとなった。守っている仙台育英の選手たちの声が聞こえないレベルの応援で、それはそのまま試合結果に反映された。
関西でこれほど慶応慶応が前面に出るのは今回が始めてだろう。今年の阪神優勝ほどではないが、大阪ミナミや道頓堀あたりにも慶応のシャツを来て祝杯をあげる人々が目撃された。
関連記事:高校球児の髪型は「丸刈り」か「自由」か 8割を占めた答えは…
■慶応高校と慶応大学は違う
しかし全員が喜んでいるわけではない。慶応大学では慶応から自動エスカレーターで上がってくる人は少数派になり、多くは違う公立私立の高校から受験して入学するのだ。
たとえば巨人で活躍した高橋由伸氏は慶応大学の野球部出身だが、高校は神奈川県の別の校区出身であり、「慶応高校が優勝したことは複雑なところがある。私は慶応OBだが、慶応高校とライバルだった。自分の高校に勝利した高校が全国制覇して複雑だ」との心情を明らかにしている。
また、プロ野球選手の中には、仙台育成高校から慶応大学に進んだ選手もあり、そういった立場にある人はあの決勝は極めて複雑な心情で観ていたことだろう。
筆者周辺の慶応OBたちも、「大学と高校は違う。高校が宮城県出身だから仙台育成を応援していた」と正直な気持ちを語った。慶応OBたちの中には、じつは反慶応のような人もいるのかもしれない。
・合わせて読みたい→小柳ルミ子、慶応と仙台育英の甲子園決勝振り返る 「全ては5回の…」
(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)