『鮴』を何と読む? 全く違う魚を指す2つの読み方があるというが…
「◯◯押し」とは、川底に張り付いた「鮴」を剥がすため、網で削るように力を込める漁法からできた言葉だという。
あの魚、いつ見ても休んでいるようだな…。
■「鮴」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「鮴」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で41.4%の人が「ごり」、58.6%の人が「こち」と読むと回した。
「ごり」と読む人は男性が42.8%で女性が40.1%。「こち」と読む人は、男性が57.1、女性は59.9%という結果に。
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■正しくは「ごり」
「鮴」の正しい読み方は、「ごり」。一般的にハゼ類の形をした淡水魚を指し、地方によって呼ばれる魚が違うようだ。一例をあげると、琵琶湖近郊ではハゼ科のヨシノボリを、高知県ではハゼ科のチチブの幼魚を、石川県ではカジカを指し、全国的には、淡水に生息するハゼ類がゴリと呼ばれることが多いようだ。
ハゼ科の「ゴリ」は、「ごり押し」という言葉の語源になっているという説もある。ゴリは吸盤状の腹ビレで川底にへばりついているため、網が川底を削るように力を込めなければ捕らえられない。この漁法が、抵抗(反発)があるところを強引に推し進めるという意味につながったとされている。
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■「鮴」のもう1つの読み方
「鮴」は「めばる」と読まれることもある。メバルはカサゴ目メバル科の海水魚で、ゴリとは全く別の魚だ。大きな目が飛び出して見えることから「目張、眼張」という名が付いたと言われているようだ。
ではなぜ違う魚が同じ「鮴」という漢字で表されるのか。川底にくっついているゴリも、海藻の茂みの中や岩の間でじっとしていることがあるメバルも、休んでいるように見えることから「休」と「魚」で「鮴」となったという説があるようだ。
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■「こち」の漢字は「鯒」
「こち」は漢字で「鯒」と書く。上から押しつぶされたような平たい体と大きなひれをもち、海底に腹ばいになって生活する海水魚の総称で、カサゴ目コチ亜目とスズキ目ネズッポ亜目の2つの分類群からなる。多くは腹を海底につけて生活する底生魚で、海底に貼りつくか、砂泥の中に浅く潜って海底に擬態し獲物を狙うという。
漢字の「鯒」は、砂の中から飛び跳ねてエサとなる生き物を捕食するところから、跳踊(はねおど)る魚で「鯒」となったと言われている。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)