1位は電車の中で感じるアレ 「質量保存の法則」「フレミングの法則」を超えた最高認知度の「法則」とは?
『スージー鈴木のニッポンの民意』第12回は、世界にあまたある中で最高認知度の「法則」を発見します。「法則の法則」を発見するという大研究の発表です。最高認知度の「法則」とそれを生み出す「法則」とは?
もしかしたら歴史に残る大研究になるかもしれません。「法則の法則」を導くのですから。
具体的には「法則の認知度の法則」をマーケットリサーチによって導いたのです。世の中にあまたある「法則」の認知度の差が生まれる背景には、どういう「法則」があるのか、今ここで明らかに!
マーケットリサーチの具体的な方法は、有名な「法則」を9つ呈示して、それぞれに「1.知っている」「2.何となく知っている」「3.名前だけ覚えている程度」「4.知らない」を聴取。そして「1.知っている」+「2.何となく知っている」の和を「認知度」としてランキング化します。
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■認知度Bクラスの最下位は…
では早速、まずは下位、認知度Bクラスの最下位から6位を見ていきます(法則の説明については小学館「デジタル大辞泉」より)。
最下位:ランチェスターの法則(8.3%)
イギリスのエンジニア、フレデリック・ランチェスター(1868〜1946)による法則。「刀剣などによる戦いでは攻撃力は兵数に比例するが、銃器や航空機などによる戦いでは攻撃力は兵数の2乗に比例するという法則」ということなのですが、少なくとも日本では、実生活では使えないからか最下位に。やっぱり平和がいちばん。
8位:パレートの法則(10.1%)
「国家などの総所得の約8割は、約2割の高額所得者が担っているという法則」。あ、なんか聞いたことありますね。発見した人は、イタリアの経済学者ビルフレッド・パレート(1848~1923)という人だそう。へぇ、イタリア発なんだ。
7位:アボガドロの法則(11.3%)
「すべての気体は、同温・同圧では、同体積中に同数の分子を含むという法則」。作ったのはイタリアの物理学者アメデオ・アボガドロ(1776~1856)で(またイタリア発だ!)。内容は相変わらず難しいのですが、なんとなく親しみを感じるのは、名前が「アボガド」と似ているからに違いない。
6位:ボイル・シャルルの法則(18.6%)
「気体の体積は圧力に反比例し、絶対温度に比例するという法則」なのですが、そんなことより、「ボイル・シャルル」は1人の人名ではなく、ボイルとシャルルという2人だったというのが驚き。さらに驚くのは、ロバート・ボイル(1627~1691)はイギリスの物理学者・化学者で、ジャック・シャルル(1746〜1823)はフランスの物理学者と、国も時代も違うこと。
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■認知度Aクラス…5位はマーフィーの法則
さて、ここからは認知度Aクラスです。先に白状すれば、次の5位が1位だと予測して、かつ、これが1位だったらオチとして使えるなと思って、調査票を組んだのでした。
5位:マーフィーの法則(27.5%)
90年代前半に大いに流行った法則で、1994年には、嘉門達夫(現:タツオ)が『マーフィーの法則』という歌をリリースしたほどでした。「テレビのロードショーでイイ場面になるとニュース速報が入る しかもその内容はどうでもイイ事が多い」という歌詞にあるように、この法則はいわゆる「あるあるネタ」としてブームとなったのです。アメリカの航空工学者であるエドワード・アロイシャス・マーフィー・ジュニア(1918~1990)による法則とされています。
ここで「シン・マーフィーの法則」を一句――「1位になるからオチに使えると思った調査項目は、決して1位ではない中途半端な結果となる」。
お粗末様でした。
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■4位と2位は我らの青春…フレミングの法則
続く4位と2位は一緒にご紹介します。
4位:フレミングの右手の法則(32.9%)
2位:フレミングの左手の法則(56.1%)
来た! フレミング。これらの法則を発見したジョン・フレミングは、イギリスの電気工学者(1849〜1945)。これはなんといっても、法則を指で体感できるところがキャッチーだったからこそ、上位に進出したのでしょう。久々にやってみましょうか。
スージー鈴木自前のエレキギターをバックにフレミングしてみたのは、エレキギターの原理は、フレミングの右手の法則に沿っているからです(電磁誘導)。みなさんもウン十年ぶりにフレミングしてみてください。青春時代に戻れますよ。
そして、そのフレミングに割りこんだのは……。
3位:質量保存の法則(41.1%)
「化学反応の前と後で、反応にあずかる物質の質量の総和は変わらないという法則」。発見したのは、フランスの化学者アントワーヌ・ラボアジェ(1743〜1794)。中身は難しいですが、それでも感覚的に分かりますよね。あとタイトルが「ラボアジェの法則」ではなく、「質量保存」と、中身を端的に示したものとなっているのも、上位に進出した理由かと。