『桃鉄』が学校の授業で活躍、その効果に目を疑う… 子供達を救う可能性を秘めていた
『桃鉄 教育版』を学校の授業に導入するところが増えている。同ゲームは子供達を救う可能性を秘めていて…。
■学校に導入する上での工夫も
コナミデジタルエンタテインメントの担当者によれば、もともと原作者のさくまあきら氏には『桃鉄』を教育に活用したいという思いがあったそう。
担当者は、開発の経緯に関して「19年の『桃太郎電鉄~昭和 平成 令和も定番!~』発表後、(『桃鉄 教育版』のプロデューサーを務めた)正頭英和先生から提案いただき、具体的に始まりました。20年の『令和定番』発売後から本格的に制作を進め、23年1月からお申し込みの受付を開始しています」と説明する。
『桃鉄 教育版』は授業時間やカリキュラムに合わせられるよう、「北海道」から「九州・沖縄」までの7地域および「全国」の8つを選択してプレイする。とまった駅や周辺の特産品、観光地、史跡などが表示され、ゲーム感覚で勉強できる仕組みだ。
学校で使うことを考慮した工夫もあるという。担当者は、「学習の本質に関係ないキャラクターや要素(他プレイヤーへの指定攻撃)を排除しています。提供開始後も、先生方からいただいた声をもとに、『スリの銀次』というキャラクターが登場しないような調整も実施しました」と話す。
余談だが、記者も幼少期に友人達と『桃鉄』をプレイした際、こちらの行動を制限するカードを使用されたことから口論になり、喧嘩に発展してしまったことがある…。「本家」ではお馴染みの妨害キャラクターやカードを登場させないのには、こうした子供同士のトラブルを防ぐ目的もあるのだろう。
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■『桃鉄』がもたらした効果に驚き
『桃鉄 教育版』を授業に取り入れる学校は増えているようだ。
担当者からは、「23年11月時点で、ID発行数が6,521件となりました。教育委員会一括導入のお申し込みは、全国で65団体となっています。このうち、小学校のお申し込みは3,500校を超えており、全国の小学校のおよそ18%にあたります。地理や社会科だけでなく、難読地名の漢字の書き取り(国語)や、収益率の計算(算数・数学・金融教育)など、非常に幅広い教科で活用いただいているようです」という回答が得られた。
ドリルで収益率の計算を勉強しても、中々頭に入らない人もいるだろう。その点、ゲームであれば楽しみながら取り組める。
『桃鉄 教育版』は勉強はもちろん、それ以外のところでも効果をもたらしている。担当者は「『桃鉄 教育版』をきっかけに、不登校や保健室登校の生徒が授業に来るようになったケースも聞きました。学習以外の面でも、ポジティブな効果があることを聞いて、本当にうれしく思います」と笑顔を見せる。
『桃鉄』が学校での様々な問題解決につながる可能性を秘めていたとは驚きである…。いつの日か、子供達が教室で『桃鉄 教育版』をプレイするのが日常的な光景になるかもしれない。
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■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『正直不動産2』(NHK)、『院内警察』(フジテレビ系)、『不適切にもほどがある!』(TBS系)。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)