『奇天烈相談ダイヤル』プレイレビュー 怪異専門の相談員になり、マナーにやたら厳しい相談者たちの悩みを解決しよう
マナーにうるさい電話相談者のちくちく言葉に耐え抜こう! 怪異判定ゲーム『奇天烈相談ダイヤル』で遊んでみました。
Sirabee読者の皆さんこんにちは、名前の割に幽霊やホラーはあんまり得意じゃないVTuberの幽霊坂ゆらぎです。
今日は日常的に怪奇現象に悩まれされている人や、オカルトに精通していながら知識を活かす場所が無くて困っている人にぴったりなゲーム『奇天烈相談ダイヤル』を紹介したいと思います。
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■「怪異」専門の相談員
本作はゲームサークル法螺会がBOOTHやノベコレこと「ノベルゲームコレクション」などでリリースした、怪異判定アドベンチャーゲームです。
まず目を引くのがユニークなレトロゲーム風のアートスタイルで、ロービットなBGMも相性抜群。これは普段8bitアレンジばかり作っている私としても気になりますよね。
本作では、プレイヤーは怪異専門の電話相談サービス「奇天烈相談ダイヤル」で働き始めたばかりの新人相談員・ミサコとして物語が進行していきます。
舞台は1994年の日本で、電話をかけてくる相談者は皆なにかしらの「怪異」に悩まされています。はたしてそれは本物の怪異なのかどうか、相談者に質問しながら判定していきましょう。
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■あの入国管理ゲーの影響も…
ゲームのリリースによると、本作は2013年に発表された入国審査ゲーム『Papers, Please』に着想を得て作られたゲームとのことです。
『Papers, Please』は架空の社会主義国家「アルストツカ」の入国管理官になり、毎日入国希望者のチェックをするゲームで、私もかなりハマった記憶があります。
そして、このゲームのシステムは多くの後発にタイトルに影響を与え、本作を含む多くの『Papers, Please』ライクゲームを生み出しているんですよね。
そんな本作では奇天烈相談ダイヤルの相談員として、相談者からは主に怪異の情報について引き出すことになりますが、このゲームにおける「怪異」とは一体なんなのでしょうか?
ちなみに、本作はなんと無料(投げ銭も可能です!)で、PCからダウンロードするだけでなく、ブラウザ上で遊ぶこともできます。
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■「怪異」はホンモノか
相談される怪異の内容は幽霊、都市伝説、聞いただけで呪われる話など様々ですが、例えば「トイレの花子さん」「てけてけ」など、多くの人が知っている有名なものがほとんどです。
プレイヤーの手元にある資料には各怪異の見た目や特徴、出現場所、儀式の実行手順などが細かく記載されています。
相談者の話をよく聞いて、それがホンモノの「怪異である」か「怪異ではない」かを判定しましょう。
相談者の相談内容は毎回ランダムになっているようで、例え同じセーブデータをロードしても、別の怪異の相談になっています。
しかも、怪異は資料に載っているだけでも100種類あるので、単純に全てを丸暗記をするとしても、簡単な量ではないですよね。
この怪異判定がかなり難しくて、私はチュートリアルだと思っていた相談員初日からゲームオーバーを連発してしまいました。
一日に最低でも3人の相談を捌ければその日はクリアになるですが、3人目に到達することもできないなんてこともしょっちゅうでした。
ただ、必ずしも正解しなければいけないというわけではありません。要は「間違った質問をしない」ことが重要なのです。
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■相談員に厳しすぎる…
間違った質問とはなにかというと、相談された怪異に直接関係無いと思われる話題、例えば実体の無い怪異の「見た目」について質問するのはアウトです。
というのも、このゲームの相談者は皆性格が厳しめというか、一介のボランティア電話相談員に対してあたりが強いタイプなんですよね。
相談と関係ない質問をするとチクチク言葉でダメ出しをされる上に、画面左下にあるライフが1目盛り分減少してしまいます。
これが無くなると精神が限界に達してミサコは退職してしまいます。現代でも社会問題になっているカスハラの源流はこんなところにもあったのか…。
総当たりを避け、限られた情報から推理するための良いシステムではあるのですが、初回はとにかく「余計な質問をしない」コツを掴むまでに苦労します。だって、色々気になるじゃないですか…。
さらに、聞き取った情報や怪異の資料などを画面上に出したままにしていると相談者が資料で隠れてしまい、その状態で相談を続けると「ちゃんと目を合わせなさい」とダメ出しをくらいます。
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■目指せオカルトマスター
そんな風に他人のマナーやミスに厳しい相談者ですが、こちらの判定が正しかった場合は、どんな状況でもすぐに納得してくれる素直な一面も持ち合わせています。
例えば、相談者がある怪異に襲われていて、その怪異の出没時間が資料と違っていたため「怪異ではない」と判定したとします。
判定が正解なら相談者は怪異がニセモノであることに安堵するのですが、たまに能天気というか「怪異じゃなかったけど状況は十分ヤバい」みたいなケースも多いんですよね。
「いやいや、下半身のない老婆が怪異じゃないことある?」と、そんな風に思わずツッコミを入れたくなるところもよくできていると思いました。
本作の難易度は結構高い部類だと思うのですが、何度も失敗していくうちに、自然と怪異の名前や特徴を覚えられるようにもなっています。
プレイヤーの経験値やオカルト知識の量次第でどんどん進行が楽になっていくので、気がついたらオカルト沼にどっぷりと浸かっているかも…。
また、自分は安全なところから相談を聞いているだけだと思っていたら、ホンモノの怪異から電話がかかってくることもあって、そこはかなりゾクッとしました。
『Papers, Please』ライクなゲームが好きな人や、本作の独特の雰囲気に何かを感じ取った人は、怪異相談員のお仕事を始めてみてはいかがでしょうか。
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(文/Sirabee 編集部・幽霊坂ゆらぎ)