秋田空港で遭遇した謎の人物、後ろ姿にギョッとした… 男鹿市も「滅多にない」と戸惑い

吹雪の空港を当然のように歩く野生のナマハゲが発見され話題に。秋田県民も「野良は初めて見た」と、驚きを隠せない。

2024/02/28 04:45



■秋田県民も「野良は初めて」と驚愕

話題の動画撮影時の様子について、ポスト投稿主・守時さんは「秋田での仕事を終え、東京行きのフライトに乗るため外を歩いていたときに遭遇しました」と振り返る。

あまりに予想外の光景を受け、同行していた社員ともども「野良のナマハゲだ…!」と騒然となった守時さんだが、落ち着きを取り戻し、とりあえず声をかけて撮影をさせてもらうことに。

撮影後、ナマハゲは吹雪の中を何もない方向へと歩いていったそうで、守時さんは「空港で特にイベントがあった様子もなく、何もない場所へと去ってくナマハゲは不思議でした。周りに他に人もいなかったので『なぜ道路に、ひとりぼっちでいるんだろう?』という謎も残りました」と、当時の心境を語っている。

なお、現地には案内役として秋田県民も同行しており「野良のナマハゲは初めて見た」と、大いに驚いていたそうだ。やはり、こちらの光景は秋田でもかなりレアケースなのだろうか…?


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■男鹿市も「あまりない」と戸惑い

続いては、ナマハゲのプロである男鹿市「観光文化スポーツ部文化スポーツ課」に、今回の映像を確認してもらう。

すると、担当者からは「『歩いている様子』という点で見ると、観光に関する各種キャンペーンやイベントなどにおいて、ナマハゲの練り歩きなどがよく行われますし、12 月31日には市内の多くの集落でナマハゲ行事が行われるため、見られる機会は多いと思います」との回答が。

ナマハゲ

しかし、これらを前提とした上で「通常ナマハゲは複数で行動するため、単体というのはあまりありません」とも説明しており、やはりイベントや大晦日以外で、しかも単体のナマハゲに遭遇する…というのは、ナマハゲの聖地でもかなり珍しいようだ。

今回の投稿を受け、改めて「ナマハゲ」という存在に興味を抱いた人も多いことだろう。

ナマハゲ

男鹿市の担当者は「ナマハゲ行事は『男鹿のナマハゲ』として国の重要無形民俗文化財に指定されており、 かつ『来訪神:仮面・仮装の神々』の構成文化財のひとつとして、ユネスコ無形文化遺産に登録されています」「同時に国内でも著名な行事となっており、当市における主要な観光コンテンツとして活用されています」と、ナマハゲ文化について説明する。

ちなみに「ナマハゲ」という片仮名表記は、重要無形民俗文化財に登録した際の指定名称で、カジュアルに表記する際は平仮名の「なまはげ」でも問題ないようだ。

ナマハゲ

担当者は「地域の方々にとって大晦日の夜の行事は、地域を繋ぎ、新たな年を迎えるための区切りとして、知名度の高さも含めてとても大切にされています」とも語っており、いかにナマハゲが地元で愛されているかが伝わってくるというもの。

ナマハゲ

突如ナマハゲがバズった件については「大晦日のナマハゲ行事についてはじつは奥が深く、ナマハゲの面も多様です。それらは男鹿市の『なまはげ館』でも見学できます。また隣接する『男鹿真山伝承館』では、大晦日の行事再現もございます」これを機にぜひ、当市へお越し頂き、本当の意味での『男鹿のナマハゲ』を体験して頂ければ幸いです」と、笑顔のコメントが得られた。

余談だが、話題のポストを投稿した守時さんの会社「パンクチュアル」は高知県須崎市に本社を構え、ふるさと納税事業やECサイトの運営、ご当地キャラの運営代行など、地方創生に取り組む企業。

パンクチュアル

独自の手法で運営を代行する「ふるさと納税事業」、地域のブランディングから商品開発・広告戦略・サイト運営までトータルでプロデュースする「EC事業」、キャラクターサポートやガバメントクラウドファンディング、イベント企画等を通して地域を盛り上げる「地域活性化事業」の3本柱で事業を展開している。

「地域愛」の根付いた同社一同が秋田を訪れた際、同地域の文化を象徴する存在・ナマハゲと出会えたのは、きっと偶然ではないだろう。


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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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