『Baba is you』作者の新作パズルゲームプレイレビュー 手探りでルールを発見していく喜び、そして苦しみ…

『Baba is you』ライクなパズルゲーム15作品が一挙公開。自由すぎる発想に脳みそがパンク寸前になりました。

2024/03/13 09:00


Sirabee読者の皆さんおはようございます、得意なパズルゲームはマジカルドロップ、VTuberの幽霊坂ゆらぎです。

今回は、Nintendo Switchにも移植された人気ゲーム『Baba is you』の作者が作った新作パズルゲーム集、『Tiny block-pushers』に挑戦した結果をお伝えしていこうと思います。


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■15本の新作パズルゲーム

フィンランドのインディークリエイターである「Hempuli」ことArvi Teikari氏は今月6日、「itch.io」にて新作パズルゲーム15本を含むページ『Tiny block-pushers』を公開しました。

15本といっても完全にバラバラの作品群ではなく、各作品は『倉庫番』のようなブロックを押すアクションをベースにしつつ、それぞれ独自のルールが追加されています。

追加されたルールは、ゲームの基本法則を変えてしまうようなものがほとんど。まさに『Baba is you』の生みの親ならではの自由な発想という感じですね。

今回発表されたゲームはすべてブラウザ上でプレイできるほか、全作品が無料でプレイできます。

パズルゲームとしての難易度がそれなりに高く、ルールも独特なので、『Baba is you』にハマった人にはかなり刺さりそうな作品です。


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■名作パズル『Baba is you』とは

新作レビューの前に、『Baba is you』を知らない方向けに、同作がパズルゲームとしてどのように革新的だったかを簡単に説明しますね。

同作の最大の特徴は「ゲームの基本法則を自分の手で変えられる」こと。わかりやすい例として、このゲームのスクリーンショットを見てください。

マップ上には様々な「定義」が文字ブロックで可視化されています。

「Baba is you」「rock is push」「flag is win」など、英単語が書かれたブロックがそれぞれ「is」でつながっています。

これらのつながりは文字通り「Babaはあなた(プレイヤー)」「岩は押すことができる」「旗はステージの勝利条件」であることを表しています。

そして各ブロックは押して移動させることができるので、英単語を自由に組み替えることで、ステージの根幹に関わるルールを変更することができるのです。

例えば「Baba is rock」と文字をつなげた場合、白い犬のような生物Babaは岩に変化してしまい、一切の操作を受け付けなくなります。こうなると一手戻すかやり直すしかありません。

「Baba is rock」で岩になってしまったBaba。こうなってしまうと詰みです。

他にも「rock is push」のつながりを断てば岩を押すことができなくなりますし、このマップでは不可能ですが、「水に触れると沈む」ルールを変えれば沈まずに水を渡ることもできます。

時にはゴールの旗を近場にあるオブジェクトに移し変えたり、プレイヤー自身が移動可能な壁に変身するステージなどもあり、従来のパズルゲームには無い柔軟な発想が求められます。

かなり複雑に感じるかもしれませんが、この説明で「なんだか面白そう」と思った方は、ぜひ一度『Baba is you』で遊んでみることをオススメします。


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■ルールを探し出す楽しみと苦労

話を新作ゲームに戻しましょう。例えば『CYOM』ではプレイヤーの色が他と比べてやや薄いですが、ゲームを始めた時点ではまだ何の意味もありません。

うっすら薄いプレイヤー。この時点ではまだルールに変化はないようです。

とりあえずはステージを普通に攻略していきましょう。それにしても、なんだか最序盤にしてはパズルのレベルが高いような…。

そしてステージ3にして唐突に画面左下に現れた矢印と「2」の文字。これがどういった意味を持つのか検証するところからスタートです。

押せない壁に囲まれて脱出不可能。左下の矢印が意味するものは…?

色々試すこと2、3分ほど、どうやらここではクリックしたオブジェクトに乗り移ることができ、乗り移ったものを自由に操作することができるようです。

オブジェクトの色が薄くなるのは現在乗り移っているものを表し、左下の数字は残りのクリック(乗り移り)回数のようです。

矢印と数字の意味がわかったところで謎解きです。

ちなみに、黒い壁には乗り移ることができません。

このステージでは壁に乗り移ってゴールまでの道を作るように見えますが、ゴールに到達するには2回の乗り移りでは足りない気がします。

2か所の壁に乗り移って穴を開けるところまでは簡単ですが、旗にたどり着くためにはもう一度プレイヤーに乗り移る必要がありますよね。

皆さんはこれ、答えがわかりますか?

わかりにくいですが、今私が操作しているのは灰色の壁ブロックです。

正解は、「2回目に乗り移った壁ブロックでプレイヤーを旗まで押す」でした。乗り移り解禁から2ステージ目でいきなり応用を求められ、無事に進めるか不安になってきます。


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■難解すぎて頭がヘトヘトに…

緑の砂時計をブロックにぶつけると…。

別のゲームも見てみましょう。『Permaban』では、ステージを進めると砂時計が出現します。とりあえず、この砂時計を横にある白いブロックまで押してみましょう。

反転ブロックが完成。以降のステージにも居座るようになります。

するとブロックの色が反転し、黒いブロックに変化します。

反転した黒ブロックはステージが変わっても全く同じ座標に残り続ける性質を持ちます。

さらに、反転ブロックの解放後は今までにクリアしたステージから現在攻略中のステージまで自由に行き来できるようになります。

これらの特性を活かしてステージを攻略していきましょう。

あるステージではクリアするために必要なブロックの数が足りないので、この黒ブロックを別のステージで運んでおく必要があります。

このステージのギミックを攻略するには、黒ブロックを使う必要があります。

また、別のステージで黒ブロックが道をふさいでいて通れないので、これまたステージをまたいでブロックをどかしてあげましょう。

時には移動させた黒ブロックが邪魔になることも…。

他にも、見た目が若干RPG風にアレンジされた『Cavemount』では、ブロックの他にモンスターやレベルアップの要素が加わります。

各モンスターは強さが数字で表され、プレイヤーのLV以下のモンスターは無傷で撃破できます。どのモンスターをどの順番で撃破するかが攻略のカギですね。

さらに、プレイヤーは自キャラではなく自キャラ以外の全てを操作する「Wallmount」や、ステージの端に触れると反対側の端から出てくる「That’s a Warp」など、一癖も二癖もあるゲームが多数収録されています。

正直に言ってそれぞれのゲームがかなり難しく、同時に色々進めようとすると脳がパンクしそうになります。ただ、これだけ歯ごたえのあるパズルゲームが全部無料で遊べるというのは驚きですよね。

週末をまるごと費やしたのにいまだ全てのルールを把握できていない私が言うのもなんですが、自由な発想のパズルゲームが好きな人は是非とも一度遊んでみてください!

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(文/Sirabee 編集部・幽霊坂ゆらぎ

Nintendo Switchパズルゲームレビュー
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