「マルハラ」より、もっとイラッとくる 「ワケハラ」「オモハラ」「ツヅハラ」って何?

『スージー鈴木のニッポンの民意』第15回は、SNSやチャットなどでZ世代に嫌われると話題の「マルハラ(。)」より、もっとイラッ/ザワッとくる「〇〇ハラ」を調査してみました。そこで驚くべき事実も…。

2024/03/17 07:00


マルハラ(スージーさん調査)

さて、ちょっと前に「マルハラ」が話題になりました。「マルハラ」=「マルによるハラスメント」。SNSやチャットのやり取りでマル「。」を使われると、威圧感を感じてしまうとか何とか。

この「マルハラ」、私自身はまったくピンとこなかったのですが、もしかしたら「Z世代」とやらは、こういうのに威圧感を感じてしまうのかなぁ、などと思っていました。

それなら、SNSやチャットやらのネット空間には、他にも「ハラスメント」があるのでは、と考え、さっそく調べてみました。

といっても「ハラスメント一覧表」のようなものがあるわけではないので、私(57歳のオヤジ)がやりそうな「ハラスメント」を計20個挙げて、それぞれに「イラッ/ザワッとする」度合いを答えていただきました。

ここで「マルハラ」について重大な情報をお知らせしなければなりません。「マルハラ」、今回の調査で何と最下位(7.3%)だったのです。最高位の選択肢「すごくイラッ/ザワッとする」と回答した人に限ると、驚くべきことに、たったの1.2%。100人にたった1人ぐらい。

つまり「。」を使うことなんて、誰も「イラッ/ザワッ」としていないのです。つまりはこれ、ハラスメントでもなんでもない!

思い出したのは、数年前に一気に広がった「了解失礼論」です。なんでも「『了解しました』を上司に使うのはNG」とか、「目上には『承知しました』を使うべし」とかとか。

「了解失礼論」、めっちゃ広がりました。多分「あ、やべっ、『了解』自分も使ってるかも……」という心当たりを刺激して広がったのでしょう。そのあたり、「マルハラ」と共通するところがありそうな。でも、この「了解」、会社員として30年間働き続けた私の感覚において、全然失礼に感じなかったものなのですが。


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■令和ハラスメントトップ5

マルハラ調査

さて、本題です。「すごくイラッ/ザワッとする」+「イラッ/ザワッとする」の合計値ベスト(?)5を見ていきます。まず5位は「記事のリンクが貼られていてクリックしたら有料記事で読めない」(ユリョハラ)で48.4%。

ありますねぇ、某大手新聞のリンクでよく起きるもの。私は「ユリョハラ」に遭ったとき、思ったよりも多くの人たちが、新聞社サイトの有料会員になっているのに驚きます。

4位は「突然やり取りをぶった切られて、別の話題に持っていかれる」(ワダハラ)で48.5%。これもSNSやチャットあるあるですね。会話が連続的でなく断続的というか。だから建設的な議論、結論が必要な対話などには、あまり向いていないとも思うのです。

いよいよベスト3。ここからは細かく見ていきます。3位「1つの内容なのに、いくつにも分割して送られてきて読みにくい」(ワケハラ)で49.4%と約半数が「イラッ/ザワッ」とする。こんな感じでしょうか。

ワケハラ(スージーさん調査)

SNSやチャットでは、何となく長文を書くのに抵抗があるものです。でも、だからといって、分ければいいってものではないと思います。気を付けたいですね。

ちなみに「すぐには読み切れない、長すぎる文章を送りつけられる」(ナガハラ)は10位(42.8%)。「長文かつ、改行も1行あけもなく、文字がかたまりに見えて読みにくい」(カタハラ)はさらに高く6位(47.1%)でした。

続く2位「スマホではダウンロードしにくいほどの重いデータが乗せられる」(オモハラ)で、半数を超えて52.8%。たぶんPCで使っている音とか映像とかのデータを、そのままアップしてしまうのでしょう。

オモハラ(スージーさん調査)

送る方は悪気なく、単にドラッグ&ドロップしただけなのですが、受け取った方は重いし、あとクリックすると突然音が鳴り出したりして、とっても面倒くさい。そんな「オモハラ」が2位でした。

そして1位は! 「『実は……』などの後、続きが送られてこなくて待たされる」。題して「続きが分からない=ツヅハラ」で54.7%。こんな感じかな。

ツヅハラ(スージーさん調査)

思わせぶりな会話展開のまま、そのまま会話が終わって、さらにはその後、数日反応がなかったりして、受け取った方は、気になってしょうがない。できるだけ一気に吐き出してほしいと思います。

というわけで、ベスト3は「ワケハラ」「オモハラ」「ツヅハラ」でした。そして最下位は「マルハラ」。ちなみにこれが20項目の全体像です。


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■番外編・「イラッ/ザワッ」とする絵文字は…

マルハラ調査
マルハラ(スージーさん調査)

最後に。残念ながら、私個人がいちばん「イラッ/ザワッ」とする「ハラスメント」は低位にとどまりました。それは18位の「泣きながら笑っているようなあの絵文字を使われてバカにされた感じがする」(エモハラ)。

これは調査項目がよく理解されなかったのでしょう。「泣きながら笑っているようなあの絵文字」とは、私が苦手なこの絵文字のことです。どうもバカにされている感じがしてしまうのですが、そんな「絵文字ハラスメント=エモハラ」を感じてるのは私だけ?

エモハラ・絵文字(スージーさん調査)

この「rolling on the floor laughing」(笑いながら床を転げまわる)絵文字、Unicodeは「U+1F923」、HTMLコードは「🤣」で表せるようです。ぜひお使いください……ちゃうわ、私には使わないで!


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■執筆者プロフィール

スージー鈴木

Sirabeeでは、音楽評論家、ラジオDJのスージー鈴木(すーじーすずき)さんの連載コラム【スージー鈴木のニッポンの民意】を公開しています。

毎回マーケットリサーチを実施し、そこから浮き彫りになる「ニッポンの民意」を世に問いていく連載です。今回は「Z世代が嫌う「マルハラ」…令和のハラスメント事情」に関する調査を掲載しました。

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(取材・文/スージー鈴木

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年3月8日〜2024年3月11日
対象:全国10代~60代男女800名(有効回答数)
SNSハラスメントチャット絵文字令和Z世代スージー鈴木スージー鈴木のニッポンの民意
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