横浜中華街甘栗の押し売りが激減、一体なにが… 迷惑行為撲滅までの「舞台裏」に衝撃

横浜中華街でお馴染みだった甘栗の押し売り。最近はあまり見なくなったという声があがっている。一体何があったのか…。

2024/03/21 04:15


 


 

■迷惑行為撲滅までの舞台裏

今回取材に応じてくれたのは、「横浜中華街発展協同組合」副理事長の石河陽一郎さん。石河さんによれば、中華街で甘栗がブームになったのは約20年前だという。

中華街甘栗

石河さんは、「『聘珍楼』さんが小売に出したのがきっかけでした。甘栗は栗を取って焼くなど手間がかかるため、昔は高級品だったんです。聘珍甘栗は中華街のお土産の定番になりました。その後、価格破壊が始まって安くなると共に、押し売りが始まった印象です」と説明する。

強引な甘栗の販売が拡大し、観光客からクレームが入るようになったという。石河さんからは、「押し売り以外にも『最初に言ってた値段と違う』『素手で栗を触って不潔』『値段が明記されてない』『半分以上が虫食いだった』といった声が寄せられました。そうしたクレームを一つ一つ精査して、栗の認定制度を作りました」という回答が。

中華街甘栗

その後、組合で推奨店を決め、販売時のルールを定めた。石河さんは、「甘栗店の運営状況を見たり、講習会を開くなどして、認定します。また、テレビ局から中華街に関する取材依頼を受けた際、認定したお店の中から紹介したり、ツアー会社に認証店を伝えるといった対応をしました。その結果、お客様が真面目に販売する店に行き、押し売りをする店には行かなくなったんです。押し売りをする店は淘汰され、きちんとルールを守るようになりました」と話す。


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■コロナ禍が決定打か

組合が時間をかけて指導したことで、少しずつ押し売りをする店が減っていった。さらに、コロナ禍で甘栗店を含む多くの飲食店が閉店したことが決定打になったようだ。

ただ、必ずしも甘栗店にとってマイナスなことばかりではないという。石河さんは、「商売の選択肢が増えたと見ることもできます。コロナ禍で密にならず食事するよう要請されていたため、外で食べ歩く店舗が増えました。コロナ前は食べ歩き店舗は40店舗ほどでしたが、コロナを経て70店舗まで拡大したんです。甘栗を売っていた店舗がいちご飴を販売するなど、ニーズに応じて業態を変えて営業を続けています」と説明する。

今回の取材の際、中華街に足を運んだが、フルーツ飴や焼売串、台湾唐揚げなど食べ歩き店舗がかなり増えた印象を受けた。時代の流れと共に、中華街も日々変化し続けているのかもしれない。


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■執筆者プロフィール

斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。

某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。

チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。

今期の推しは、『正直不動産2』(NHK)、『院内警察』(フジテレビ系)、『不適切にもほどがある!』(TBS系)。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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