「Sirabee編集主幹」退任にあたって
Sirabeeの創刊編集長で編集主幹を務めたタカハシマコトが3月31日をもって退任。Sirabeeは、来月から新体制でさらにパワーアップしていきます。
ニュースサイトSirabee創刊編集長・編集主幹のタカハシマコトです。いつもご愛読いただき、ありがとうございます。
私がリーダーとなって2014年6月に創刊したSirabeeは、10年の節目を前にして大きな転機を迎えます。私は、本日・3月31日をもって、Sirabee編集部および編集主幹の職を離れることとなりました。
■「続報で掘り下げる」
2014年当時、「ネットニュース」という言葉は今ほど一般的ではなく、SmartNewsやGunosyといったニュースアプリがサービス開始したばかり、という状況でした。
報道の経験がないメンバーで立ち上げたSirabeeは、速報性では他のメディアに敵わないけれど「調査データなどを活用して、ニュースを続報として掘り下げる」というコンセプトでスタート。この方針は、当時、日本経済新聞などの取材も受けています。
その後、芸能取材、スポーツ取材、アレンジレシピや、SNSで話題となったネタを投稿者に深堀りするといった、幅広いジャンルの記事をお届けしてきました。
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■スポーツ現場の取材も
私自身、横浜大洋ホエールズ時代から応援してきた横浜DeNAベイスターズに取材許可をいただき、宜野湾キャンプや横浜スタジアム取材を担当。
親会社・DeNAがインターネット関連であるためかもしれませんが、Sirabeeのような「スポーツ専門でないウェブメディア」に取材の門戸を開くプロ野球チームは、じつはとても貴重な存在です。
昨年9月に行われた藤田一也内野手の引退セレモニーでは、遅くまで球場に残ったファンの皆さんとともに感動の瞬間を味わい、読者にお届けすることができました。
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■印象的なインタビュー
芸能取材では、女優の東ちづるさん、安達祐実さん、栗山千明さん、真野恵里菜さん、江口のりこさん、アナウンサーの平井理央さんなどへの単独インタビューも実施。
また政界においては、今年1月に女性として初めて日本共産党の委員長に就任した田村智子参院議員や、2019年に惜しくも乳がんで逝去された自由民主党の宮川典子衆院議員(当時)にもお話を伺いました。
田村議員は日本の奨学金制度が抱える問題について、宮川議員はPMS(月経前症候群)など女性の体の悩みを政治のテーマにするよう熱く語っていたのが印象的でした。
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■熊本地震直後の被災地に
2016年の熊本地震の際は、地元の飲食店関係者らが行った炊き出しチームに帯同。物資運搬などをお手伝いしながら、被害が大きかった西原村の避難所(西原中学校)などを取材しました。
現地へは、まだ熊本空港が使えなかったため、現在の編集長と2人で北九州空港から熊本入り。自衛隊の炊き出し部隊の凄さやシェフらが提供する温かいピザが被災者に喜ばれる様子などを報じました。
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■調査データはテレビにも
Sirabeeの出発点である「アンケート調査データを元にした記事」でも、興味深い発見が多くありました。
たとえば直近でも、「週休3日制」が導入された場合にもう1日休みたい曜日を調査したところ、月・金を休む3連休派より、水曜日を休みにして2勤・1休・2勤・2休にしたい人が多いことが判明。
このデータを含めて、少なからぬ調査結果がテレビ番組などでも引用・紹介されています。「Sirabee調べ」のテロップをテレビでご覧になった方もいるかもしれません。
■4月からは新体制に
以上が、私がSirabeeで執筆する最後の記事となります。私は編集部を離れますが、Sirabeeは4月以降、今よりも進化・発展した体制で続いていきます。中野拓海編集長以下、メンバーにも変更はありません(姉妹サイト『fumumu』も、長谷川瞳編集長以下、同様です)。
この10年で巣立っていった人も少なくない一方で、取材・撮影・データ分析・執筆・編集などさまざまなスキルに長けた記者・編集者たちが育ちました。そうした編集部員たちと話しても、皆すでに胸を高鳴らせている様子です。
来週からスタートする「新生Sirabee」に、どうかこれまで以上にご期待ください。
■執筆者プロフィール
タカハシマコト:ニュースサイトSirabee創刊編集長・編集主幹/クリエイティブディレクター
1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。
著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)