「Y1000」家族で毎日飲んでみたリアルな感想、コストは他サブスクより断然高かったが…

【得する経済学】睡眠改善のため、毎日ヤクルトY1000を飲み始めた筆者の家族。皆が喜んでいる中、そのコストが気になり…。

2024/03/31 06:00


ヤクルト1000

「たった150円でこれだけぐっすり眠れるのだから、安いものよね」と笑顔のうちの家内。

なんか通販番組のやりとりみたいな出だしですね。お得な経済学の連載記事なので、これが額面通りお得なのかどうか、疑問を感じながら読み進めてみてください。

家内が手にとっているのはヤクルトの「Y1000」です。発売当初は爆発的な売れ行きで、どこに行っても売り切れで手に入らなかったのですが、最近はようやく工場の生産能力が補強されて、普通にスーパーで買えるようになりました。

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■質の高い睡眠に効果があるとヒットしたY1000

私の周囲の高齢者がだいたいそうなので、おそらく日本中そうだと思うのですが、年をとるにつれ人間、なかなかぐっすりとは眠れなくなるようです。

それで睡眠薬に頼る人もいますが、睡眠薬は副作用で普通に起きている時もなんとなく眠いというか調子が悪くなってしまいます。あくまで個人の感想ですが。

以前、外資系企業で働いていたときにアメリカ人の同僚が、「自然のサイクルで眠るためにはメラトニンがいいぞ」と言っていました。

ただメラトニンは日本では副作用を問題視して発売されていません。自然に眠ることができて、起きたらぱっと快適になるものは日本にはないのかな? と思っていた時に登場したのがヤクルトのY1000です。

商品説明には「睡眠の質を高める機能が報告されています」と書かれているのですが、実際に飲んだ人たちが口コミでその感想を伝えるようになってから爆発的に人気が高まり、一時期はまったく手に入らない状況が続いていました。それがようやく最近、普通にスーパーやコンビニで手に入るようになってきたのです。


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■毎日「150円」…これってプライスレスなのか?

さて社会人としては「毎日よく眠れる」ということに対してはプライスレスな価値があります。お金には代えられない、人生の質そのものを変えてしまう重要な効能です。それがたった150円の乳酸菌飲料で手に入ることがわかったので、鈴木家はもう大騒ぎになりました。

「これ、もう定期購入するしかないよね」ということになったのです。

定期購入といってもヤクルトの販売員の方に来ていただくのではなく、家族の誰かが3本ないしは6本買っては、冷蔵庫に補充するといったやり方です。わたしと家内と、なぜかまだ若いはずのうちの娘も一緒に毎日ヤクルトを飲む生活が始まりました。

それである日気づいたのです。「これ、サブスクだと考えたら月額いくらなんだろうか?」。


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■1か月あたりで考えたらスマホの方が安いと気づく

さきほど、質の高い睡眠が得られるのであればそれはプライスレスだと言いましたが、それはそれで経済評論家なものですから、プライスレスのお値段はいくらなのか、だんだん気になってくるのです。

鈴木家ではY1000は一時的なブームではなく2023年の年末頃から始まって、もう3か月以上、毎日の習慣として定着しています。ですから出費としては確実に家計に負担をかけているはずです。

計算をしてみると1本150円ですから、1か月30日分で4,500円。おっと一人分の段階ですでにネットフリックスどころか、U-NEXTのサブスク料金も軽く超えてきました。

それが家族3人ですから一家全体で13,500円も出費が増えています。こ、これは! 私と娘が楽天モバイルで、家内がlinemoの3GBプランに入っている我が家の場合、なんと3人分のスマホ代よりもY1000のサブスクの方が高い! という衝撃の事実が判明しました。

とはいえ、これだけ毎日ぐっすり眠れるようになってしまうと、このサブスクを止めるぐらいなら、ネットフリックスを止めたほうがまし。場合によってはスマホよりも大切かも。ということでヤクルトさんはとてもいい金脈を発見したのだと改めて理解したのでした。


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■著者プロフィール

鈴木貴博

Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。

今週は「Y1000」をテーマにお届けしました。

・合わせて読みたい→DXで無いものが見つかる時代… ユニクロの「ステテコ」巡る長い旅路の話

(文/鈴木貴博

鈴木貴博新著『「AIクソ上司」の脅威 2030年、日本企業の序列がひっくり返る』【amazon】

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