『虎に翼』脚本家も驚いた…裁判シーンの“違和感”にゾッとする 視聴者も「恐ろしい」「公正公平じゃない」
朝ドラ『虎に翼』の刑事裁判の場面について、脚本を手がける吉田恵里香氏が「このドラマやらなかったら絶対知らなかったことだわ」とXでぽつり。視聴者からも現代とはまったく違う形式に驚きの声が…。
伊藤沙莉主演のNHK連続テレビ小説『虎に翼』で脚本を手がける吉田恵里香氏が2日、公式Xを更新。同作を担当しなければ「絶対に知らなかったこと」を明かし、反響を呼んでいる。
■直言らは罪状を否認するも…
同日放送の第24話では、共亜事件の裁判が始まり、寅子(伊藤)の父・直言(岡部たかし)ら、逮捕された16人全員が罪状を否認。弁護人を務める穂高(小林薫)らが贈収賄の事実はなかったという証拠を次々と突きつけるも、検察官の日和田(堀部圭亮)は、被告らが取り調べの際に自白していたことを盾に有罪を主張する。
穂高は、直言が取り調べの際に革手錠で拘束されていたという事実から、人権が蹂躙されていたと主張。検察側には自白以外の証拠がないことなどを指摘する。ここから世論の流れが代わり、検察に批判的な目が向けられ始める。
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■脚本家「絶対知らなかったこと」
この裁判シーンについて、吉田氏は放送中にXを更新し、「当時の法廷、検察官の席が裁判官と横並びだったこと。このドラマやらなかったら絶対知らなかったことだわ」と明かした。
現在の刑事裁判では、法廷の中央正面、一段高いところに裁判官、法廷の左右に検察官と弁護士が向かい合うという配置になっている。しかし、劇中の法廷では武井裁判長(平田広明)や判事の桂場(松山ケンイチ)と日和田は横並びで正面の席に座り、弁護士は被告の斜め後ろに座っていた。
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■「恐ろしい席順」「全然公正公平じゃない」の声
Xでも、「違和感あると思ったら裁判官と検察官が横並び」「検察ってあっちに座ってるっけ?」「そこ並んでたら検察の立場強そうに見えない? 天秤傾いてない? と不思議に思った」「民事裁判のときは弁護士対弁護士だったのに、刑事裁判になったら検察官ってそこなのぉ!? えー!! って!」と驚く声が。
さらに、「検察官と裁判官が一緒に並んで座っていたら、検察官の思惑通りに判決が出るのでは!? と思ってしまう恐ろしい席順」「座り位置からして全然公正公平じゃない!」「そりゃ自白を覆すの相当難しいよ」との意見もみられた。
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■当時の権威構造は…
また、現役の弁護士らからは「一段高い席に座る検察官。戦前は弁護士への懲戒権も検察が握っていた」「最高裁判所長官と検事総長が戦前は親任官(天皇が任命する)で同列だったから、法廷でも同格という権威構造だったのよねぇ。弁護士は民間なので同列には扱えない」といった解説も。
「それだけに桂場が検察に注意したのはかなりインパクトのある行動だったんだろうな」「そんな中でも戦った穂高先生もお父さんも素敵」「直言さんの罪状否認から裁判シーンの穂高先生の迫力までずっと鳥肌の15分だった」といった感想も見受けられた。