顔より大きな綿あめ、5分後の悲劇にゾッとした 砂糖のプロが明かす「意外な敵」に驚き…
カラフルなわたあめが溶けて「魔界の傘」のようになってしまい話題に。砂糖のプロは「砂糖の表面積と、湿度が原因」と推測する。
■変化までの時間が短すぎる…!
暑くてわたあめ一瞬で溶けて魔界の傘になった pic.twitter.com/9E34nhhGAe
— 🔆 𝚖 𝚊 𝚍 𝚘 𝚔 𝚊 🔅 (@man_man_chan) June 22, 2024
撮影当時の様子について、ポスト投稿主・madokaさんは「昼の12時頃、野外フェスで屋台を見て回っていたら、子供が綿あめのお店を見て『買いたい』とのことで購入しました」と振り返っている。
その後、1枚目の写真から5分後には「魔界の傘」へと変貌してしまったそうだ。なお、madokaさんのお子さんとしてはそこまでショックを受けていなかったようで、驚きつつも家族の力を合わせ、頑張って完食。
その風味について、madokaさんは「綿あめと言うより、本当に溶けた砂糖のような感じでした」とも説明してくれた。
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■砂糖のプロは「湿度が原因」と推測
会員相互の連絡協調をはかり、砂糖および精糖業の社会経済的・ 技術的調査研究を行うことによって精糖業の発展を促進することを目的に活動しているのが、今回の取材を快諾してくれた精糖工業会。
わたあめに使用される砂糖について、同会の担当者は「通常、白ザラ糖です」と回答する。
こちらの砂糖は粒径が大きく、純度の高い結晶が特徴で、わたあめの他に高級菓子やリキュールの製造、カルメ焼きなどの原料に用いられるという。
担当者は続けて、「わたあめは砂糖の『状態変化』を利用していると言えます。状態変化とは、物質が温度などの変化によって、固体が液体・気体状態に変化することです」と、わたあめの特徴について説明する。
わたあめは調理の際、砂糖(白ザラ糖)を加熱することで固体から液体に変化し、遠心力を利用して細かな編み目から外に飛び出し、冷却されて繊維状になって固まる。これを割り箸などで巻き取れば、お馴染みの「わたあめ」が完成するのだ。
精糖工業会の担当者曰く、このように高温で溶かし、急冷して固めた砂糖は「非結晶」(アモルファス)になるという。
担当者はさらに、「アモルファスの砂糖は吸湿性があることから、外気の湿度に影響されます。わたあめのような状態の場合、外気の湿度によりベタベタになったり、縮んでしまうと思われます」「さらに、結晶砂糖は表面積が小さいけれど、わたあめのようなアモルファスの砂糖は表面積が大きいため、直ちに吸湿するものと思われます」とも分析していたのだ。
「直ちに吸湿する」「外気の湿度により縮む」という2点は正に今回、madokaさんのお子さんのわたあめに見られた現象だろう。
また、精糖工業会は「確認をしたワケではありませんが…」と前置きしつつ、「色のついたわたあめは着色料が加わっているため、一般的なわたあめより吸湿性が高くなるのではないでしょうか」とも推測していた。
つまりわたあめを味わううえで注意すべきなのは「温度」でなく、「湿度」だったのだ。その日の気候によってはわたあめとの戦いは「スピード勝負」となることを、肝に銘じておきたい。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)