タイガー魔法瓶、社名の由来が予想外すぎて驚き… 7割弱の「勘違い」に思わず共感
タイガー魔法瓶の社名の由来が「意外すぎる」と判明。7割弱の人が「勘違いしていた」と判明したが、それにも納得な背景が。
■当時の業界には「あるトレンド」が…
じつは「タイガー魔法瓶」の名前の由来は1つだけではない。
こちらについて説明するにあたり、同社の担当者は「初期の魔法瓶業界では『ガラス製のため壊れやすい』というイメージを払拭すべく、強い動物の名前を商品名に使用する例が多くありました」と、当時のトレンドを振り返る。
続けて、「当社がその中で『虎』を選んだ背景として、トラはアジア特産で強い動物として知られていること、そして創業者・菊池武範が独立への克己心を培う機会を与えてくれた父への恩を忘れぬため、父の誕生年(1854年)の寅年にちなんだことが挙げられます」と、社名のルーツを説明してくれた。
つまり同社の名前には、父親に対する創業者の尊敬の念が込められているのだ。なお、前出のアンケートには「創業者の父が寅年生まれだったから」という選択肢も存在し、こちらを選んだのは全体の33%であった。
「創業者」と「創業者の父」のどちらが社名の由来になっているか尋ねられたら、やはり前者を選ぶ人が多いということだろう。
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■父と母、家族への思いが根底にあった
タイガー魔法瓶の創業者であり、初代社長・武範と「魔法瓶」との出会いは、初めて大阪に出た奉公時代の1910年(明治43年)にまで遡る。
その出会いについて、タイガー魔法瓶の担当者は「船場ビジネス街のショーウインドウで、西洋生まれの『魔法瓶』を知ります」と説明。
少年時代の武範は尋常小学校を卒業後、父の事業失敗により高等小学校を中退し、愛媛から大阪へ奉公に出て家族を支えていたのだ。食事の順番はいつも最後。冬も冷めたお茶とご飯しか口にできない毎日で、体が凍るような辛さを感じていたという。
そうした境遇の中で「母が淹れてくれた、あの1杯の温かなお茶が飲みたい」という、団らんへの憧れを抱いていた武範は魔法瓶の存在を知り、将来性のある商品として大いに魅力を感じる。
そして、1923年(大正12年)2月3日、武範は国内の魔法瓶製造会社での経験を経て、「虎印魔法瓶製造卸菊池製作所」(後のタイガー魔法瓶)を創業。日本国内向けに「虎印」の魔法瓶の製造・販売を開始していく。
父に対する尊敬と、母に対する憧憬、強く内に秘めた「家族」への思いこそが、武範の原動力であった。それから100年が経った現代でも、タイガー魔法瓶は真空断熱ボトルや炊飯器などの製品で、日本中の家庭や食卓に「温かさ」を提供し続けている。
この事実を思うと、胸が温かく…いや、熱くなってくるのは記者だけではないだろう。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee編集部・秋山 はじめ 取材協力/タイガー魔法瓶)
対象:全国10代~60代男女718名 (有効回答数)