タイガーの真空断熱ボトル、5割弱が名前を「盛ってる」と思っていたが… その性能が化け物すぎると判明

タイガー魔法瓶の真空断熱ボトルは、本当に名前の通り「真空状態」ができているのだろうか。実は5割弱の人々が「勘違いしている」と判明した。

2024/10/18 11:30



■スケールがあまりに大きすぎる…

2018年11月11日、国際宇宙ステーション(ISS)から、物資を運ぶ⼩型回収カプセルが地球に帰還。この、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した⼩型回収カプセル内の「真空二重断熱容器」の開発を担当したのが、何を隠そう、我らがタイガー魔法瓶なのだ。

JAXA共同開発

その詳細について、タイガー魔法瓶の担当者は「貴重な宇宙実験サンプルを保冷状態で格納し、落下時の激突に耐え、地球へ無事届けるというミッションに挑戦しました」「ISSで保冷剤と共に格納された試料は、5日と15時間に渡って4℃を保ちました」と説明する。

JAXA共同開発

つまり本ミッションには、高い真空断熱技術に加え、強い衝撃への「耐久性」、長期間に渡る保冷の「持続力」が求められるため、それだけで難度の高さが窺えるというもの。

しかしタイガー魔法瓶は、この高難度ミッションを見事にクリア。

JAXA共同開発

さらに2021年には、小型回収カプセル開発のノウハウを基に、次の挑戦として同社が開発に携わった「真空⼆重構造断熱・保温輸送容器」(NPS-A100)にJAXAのサンプルを格納し、ISSと地上の間でサンプルの温度維持輸送を成功させた。

こちらは、さらに厳しく設定された保冷性能をクリアしながら、複数回数の使用に耐え、よりコンパクトな設計(外径約130 mm、重量約2.9kg)にしたというから驚きである。


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■じつは「真空=空気がない」ではなく…

真空断熱ボトル

ところで、真空を「空気がない状態」と捉えている人は少なくないのでは。今回のアンケートで「真空断熱ボトルの内部で、真空状態ができていると思わない」と回答した人物が半数近く存在したのは、こちらの誤解も要因であると思われる。

恥ずかしながら、記者自身も勘違いしていたのだが…じつは、日本工業規格(JIS)では、真空を「空気がない状態」ではなく、「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態」と定義しているのだ。

今回の調査アンケートの結果を受け、タイガー魔法瓶の担当者は「あの小さな水筒の中に『宇宙に近い真空がある』と聞くと、意外に思われる方も多いかもしれません」とコメント。

タイガー魔法瓶・真空断熱ボトル

続けて「『魔法瓶』と呼ばれるように、真空断熱技術は正に魔法のようなものだと思います。電気やガスを使用せずに保温・保冷ができる魔法瓶はエコで環境にやさしく、皆様の暮らしを快適にできるものだと考えております。水筒にはたくさんの種類のものが多く販売されていますが、ぜひ真空断熱のものをお選びいただれば幸いです」と、創業当初からブレず、力強い進歩を続ける同社の「魔法」について語ってくれた。

日本が誇るタイガー魔法瓶の「魔法」がかかった製品は世界中…いや、宇宙をも魅了し続けている。


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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee編集部・秋山 はじめ 取材協力/タイガー魔法瓶

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年9月3日~2024年9月9日
対象:全国10代~60代男女718名 (有効回答数)
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