タイガー魔法瓶のかわいいトラ、70年前の姿が別人すぎる… 3割弱が「知らなかった」と判明
かわいらしいトラのロゴマークでお馴染みのタイガー魔法瓶。しかし、今から70年以上前は「とんでもなくリアルなデザインだった」のをご存知だろうか。
■デザインのこだわり、尋常じゃなかった
ロゴデザイン変更の歴史について、タイガー魔法瓶の担当者は「創業時のロゴマークは『強さ』をアピールするために勇ましいリアルな虎でした。そして1951年の2代目となるロゴマークの虎は、よりリアルさを強調するような、強さと迫力がパワーアップしたようなデザインとなりました」と説明する。
さらに「こちらの制作時には、創業者がトラのヒゲの本数や角度まで、画家さんに注文したそうです」と、驚きのエピソードが登場。
その後の変化については、「以降はイラスト調のトラへと変化していき、魔法瓶が一般家庭にも広く普及し、調理家電という毎日の暮らしにかかわる、親しみやすい製品群ということで、『強さ』を表すために使われたいかめしいマークから、老若男女に愛されるような『かわいらしい』トラのマークとなりました」と、語ってくれたのだ。
そして、多くのユーザーにとって馴染み深い現在のトラの顔になったのは、創立60周年を迎える1983年(昭和58年)のこと。
歴代で「最もかわいいトラ」になった経緯について、担当者からは「できるだけ優しい、ソフトな表現を目指して、数百点を超える候補の中から、若々しく、優しさのある表情のものを選びました。ネコ科の動物の特徴であるヒゲも除かれている、という思い切ったものでした」との回答が得られた。
現代の我々からすると「昔のロゴ、強すぎ!」という印象が強いが、当時のユーザーは反対に「新しいロゴ、かわいくなりすぎ!」という戸惑いがあったのだろうか…?
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■人気の「レトロ柄復刻」ではロゴも…
ちなみに、前述のアンケート結果を「年代別」に見てみると、40〜60代は約8割が「以前のロゴはもっとリアルだった」と回答していることが判明。
現行のタイガーフェイスに変わったのが約40年前なので、やはり当時を知る人からすると、このイメチェンはかなり印象に残っているのだろう。タイガー魔法瓶の担当者も「多くの方に、昔のロゴがリアルであったと知って頂けているようです」と、笑顔を見せる。
現代の丈夫なステンレス水筒を知っている身からすると信じられないが、かつては「ガラスの魔法瓶=割れやすい」というイメージが強かったそう。そのため、同社ではそうした印象を払拭し、堅牢さをアピールつするため、ものづくりだけでなくロゴにも強くこだわっていたのだ。
なお、現在は商品の入った箱に「世界中に幸せな団らんを広める。」というビジョンと共に、トラのロゴが使用されている。こちらの写真を「かわいい!」とSNSにアップするユーザーも少なくなく、担当者からは「嬉しく拝見しております」とのコメントが。
なお、同社は「敷地内で本物のトラを飼育していた」実績があり、トラに対する愛情と思い入れは本物。つい先日も、Sirabee編集部にて取材・公開した記事がX上で大きな話題となっていた。
また、タイガー魔法瓶では70〜80年代の人気商品を「レトロ柄復刻シリーズ」として展開しており、こちらはロゴも過去のデザインを採用しているのが嬉しいポイント。ユーザーからは「意外性があって、レトロで良い」と、好評のようだ。
日本人ならば誰もが知っているタイガー魔法瓶のロゴマーク。しかし、その過去には「大規模なイメチェン」があったことを、覚えておこう。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee編集部・秋山 はじめ 取材協力/タイガー魔法瓶)
対象:全国10代~60代男女718名 (有効回答数)