ゴルフの起源は中国の「呉竜府」 令和の今なら“信じてしまう”説を検証した

昨年のコミケで話題を呼んだ「呉竜府」のコスプレ。令和の若者は彼の偉大さを知っているのだろうか?

2025/02/22 05:15


ネオさん(コミックマーケット105にて)

みなさん、ゴルフをプレイしていますか? 老若男女が自分のペースで楽しめる人気スポーツの代名詞ですね。そんなゴルフの起源について、あなたは考えたことはあったでしょうか?


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■ゴルフの起源は?

スポーツシンクタンク・笹川スポーツ財団の公式HPには「ゴルフ競技の起源は『スコットランドの羊飼いの遊び』や『中国の宮廷で行われていた球技』など諸説あり、現在では定かではありません」との記述があります。

一方で、「1295年にオランダで冬季に凍結した湖面で球を打つ遊びの模様が描かれた絵画に『Colf』という題名がついていることから、この遊びがゴルフの起源であるともいわれています」とも書かれており、起源については諸説あり、どの説も甲乙つけがたいという状況のようです。


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■中国の偉人・呉竜府(ご・りゅうふ)

ネオさん(コミックマーケット105にて)

そんな中、「ゴルフの起源は中国の呉竜府(ご・りゅうふ)が考案した説が支配的である」という一文がネット上で今も漂っていることをご存知でしょうか。

この言葉、1985年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始された『魁!!男塾』(作・宮下あきら)に登場した一節。

同作内では、地上15mにそびえ立つ土俵で生死をかけた相撲対決や、毒薬を飲んだ上で解毒剤を奪い合う球技「羅惧美偉(ラグビー)」などのシーンが登場しますが、その荒唐無稽なハチャメチャ設定を読者に納得させるため、毎回作中に登場するのが架空出版社「民明書房」の刊行物。

ネオさん(コミックマーケット105にて)

いかにも歴史上に存在していたかのような説明を添え、最後に「民明書房刊『スポーツ起源異聞』より」とご丁寧に出典元まで記すスタイルで読者を信じさせ、より作品に没入させました。前述の一節は、そこで登場したものです。

同じパターンで『中国武具―その創造と継承―』『世界の怪拳・奇拳』『バットマンかく語りき』『ツタンカーメンの逆襲』などの出典元がコミック各話に記されていましたが、一言でまとめると「ゴルフの発祥=呉竜府説」は……ウソです。


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■数十年の時を経て「コミケ」で話題に

ネオさん(コミックマーケット105にて)

同作の中では、棍棒を使った武道の達人・呉竜府がゴルフスイングに酷似した打撃方で打球を敵にぶつけたという起源が“支配的”と記されています。

昨年末開催されたオタクの祭典「コミックマーケット」コスプレ広場では、男性コスプレイヤー・ネオさんがこのシーンを完全再現し会場やSNSで話題を呼びました。ネオさんのセンスもさることながら、それほどファンにとっては伝説的な一コマなのです。

『男塾』連載時は、筆者も「そんな事実ないのは明白だけど、面白い説」として読んでいましたが、同作を知らない令和の若者はこの説を信じるのか、検証してみました。


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■令和の若者は信じるのか?

呉竜府を知っているか

呉竜府について知らなさそうな20代〜60代の男女8人に「ゴルフの起源を知っているか」と質問し、「知らない」と回答した場合は「中国の呉竜府がその起源であるという説が『支配的』である」と教え、その反応を見ます。

20代のアニメ好き女性は「農家の人がうさぎの住処(すみか)で球遊び始めた? じゃなかったでしたっけ。私が知ってたのはスコットランド発祥説でした」との回答。呉竜府の件を説明すると、「中国だったんですか!?」「なんだって…」と信じ、認識が誤っていたことを恥じる様子を見せました。

一方、20代の女性会社員は起源を知らず、「ごりゅうふ→ごりゅふ→ゴルフってなったのか! 呉竜府って人、知らなかった。ありがとう」と感謝の言葉を筆者に送ってきました。


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■即バレするパターンもありましたが…

しかし、60代専業主婦の女性(というか筆者の母)でテストしたところ、呉竜府の名を出すと「確か、橋を渡るためみんなで人間吊橋を作った方々のお友達だよね」(注・人間吊橋=男塾内の名シーン)とネタ元が完全にバレており、40代男性は一問目から「コミケで見たコスプレじゃないっすか…急にどうしたんですか?」と同じくの展開。

呉竜府について熱弁する筆者を、軽く蔑視しているかのような扱いでした。

残りのメンバーは「ホントの話?」「ふーん」とあまり興味を示さず、ゴルフの起源なんてどうでも良いというスタンス。前出・ネオさんのコスプレを見せ、考えを改めさせたいところです。

結果、『男塾』を知っている人には即バレ、知らない人はどっちでも良いという結末です。一方で、令和の今でも「民明書房」で一部の若者を信じさせることが可能だともわかりました。これは大きな成果。

次回は同作でおなじみの「撲針愚(ボクシング)」、「愕怨祭(がくえんさい)」などについても調査していこうと考えています。

Source:Amazon.co.jp

商品のデザインや仕様、価格、パッケージなどは執筆当時のものです。変更されている場合がございます。

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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤

ゴルフコミックマーケット魁!!男塾
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