『御上先生』最終話 生徒に受け継がれた“考える力” 「彼等の姿にぐっとき」と話題
過去の後悔から学んだ、今できることに注目! 大人の私たちの言動が未来をつくります。

23日放送のドラマ『御上先生』(TBS系)最終話「-Puppets can’t control you-」。
1年に渡る御上の闘いはとうとう決着の時を迎えます。巨悪に挑んだ御上と生徒たちが見つけた”考える力”の結末に、放送直後から共感の声が集まっています(ネタバレを含みます)。
■不正に巻き込まれた少女の苦悩
隣徳学院の裏口入学を暴くために高校へ赴任してきた御上(松坂桃李)でしたが、様々な人の助けによって不正を裏付ける証拠が揃いました。あとは神崎(奥平大兼)が記事にし告発するだけとなったものの、一つの問題が。それは、クラスメイトの千木良(髙石あかり)や現役の生徒の名前が、不正入学リストに記載されているということでした。
この件について二人で話をした神崎でしたが、不正が明らかになった後の家族を思うと、答えが出せない千木良。そこで、御上は特別な授業を行いました。
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■答えのない問題
不正の手伝いを行なっていた教師の溝端(迫田孝也)も同席した特別授業で、御上は皆に戦争の是非を問います。生徒たちはそれぞれ、「人の命を理不尽に奪うものだから、戦争はいけないもの」「原則やってはいけないこととして、やむを得ない武力闘争はある」などと答えました。
ところが御上はそれらの答えに対して「理不尽なテロや侵略から武力で抵抗することは悪なのか」「やむを得ないというのは誰が決めるのか」と、誰にも出せない問題をさらに提示。また大前提として、戦争は国の政策で行っていることを忘れてはならない、つまり自分の意思で選んだ国の代表が行っているということは私たちの意思で止められる可能性もあるということなのだ、と。
御上が最初から伝えてきた”考える力”とは、考えても答えの出ない問題について投げ出さずに考え続ける力だったのです。
するとこれを受けた千木良は、自分の父の不正とその不正について神崎が記事を書こうとしていることを告白。不正が暴かれれば家族がこれまで通りの生活を送れなくなる、しかし一方でもし明るみに出なくても苦しみが続くことも分かっている。どちらにも「逃げ場はなく、逃げない」という答えしか選べないのなら、神崎に記事にしてほしいと決意したのでした。
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■卒業後のそれぞれに共感の声
結局、隣徳の不正は神崎の記事によって明らかに。千木良は高校を去ったものの高卒認定を取り大学受験に向けて前を向いていました。神崎は卒業後も弓弦の事件を見つめ続け、御上と槙野も改めて日本教育について向き合っていくことを心に決めます。
放送直後、SNSでは「一生かけて考え続ける(向き合い続ける)彼等の姿にぐっときました…..苦しいけどそれでも前に進み続けられますように….」「考え続けることをやめない3年2組のみんながどんな将来に進んでいくのか想像するだけでわくわくする」と、それぞれの登場人物に思いを馳せる意見が続々。
御上が言っていた「The personal is political(個人的なことは政治的なこと)」という言葉。自分の一票で選ばれた代表が国を動かすように、一人一人の言動がひいては全体への影響となりえるというのは世の中の真理なのかもしれません。
自分を変えるというのは非常に困難なことですが、大切なことから逃げないで考える人でいようとすることが、未来の子供達に私たちが今できることなのではないでしょうか。
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(文/Sirabee 編集部・福野 エリカ)
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