『あんぱん』母と別れのシーン、パラソルの動きが“意味”するのは… 「泣ける」「こわい」解釈分かれる
2日放送のNHK朝ドラ『あんぱん』で描かれた、嵩(木村優来)と母・登美子(松嶋菜々子)の別れ。登美子が差していたパラソルの動きは解釈によって“真逆の感情”に…。
2日に放送されたNHK連続テレビ小説『あんぱん』の、嵩(木村優来)と母・登美子(松嶋菜々子)の別れのシーン。登美子がパラソルを回した意味について、視聴者の解釈が大きく分かれている。
■嵩と母の別れ
嵩が描いた家族4人の絵を見て「母さんもこの絵、好きよ」というも「でも、もう前を向かなきゃね…」とつぶやいた登美子。
その後、「高知の街に用ができてしばらく留守にするけど、嵩はこの家で待っててね」「用事が片付いたら、すぐ迎えに来るからいい子にしてるのよ」と言って家を出ていくが、異変を感じ取った様子の嵩は学校を休み、弟・千尋(平山正剛)とともに母を追いかける。
「お母さん! 本当にすぐ迎えに来てくれる?」と尋ねる嵩に少し間を置いて振り返る登美子。「約束だよ」という嵩に頷くと「それまで寛おじちゃんたちの言うこと聞いていい子にしているんですよ。母さんはすぐ迎えに来ますからね」と言う。
そして何度も「お母さーん!」と言いながら手を振る嵩のほうを振り向かず、パラソルをくるくると回して去っていった。
関連記事:『あんぱん』幼少期の“あるシーン”がベタすぎて… 王道展開に「久々見た」「これぞ朝ドラ」
■くるくると回したパラソルの意味は…
このシーンで、登美子のパラソルの動きに注目した視聴者は多く、「傘を少しだけクルクルさせてて、バイバイって言ってるように見えた」「傘の中で母親は泣いてる」「傘で隠して泣いてたんだと思うと、、たかしの気持ちにもなって泣ける」などと涙する人も。
しかし一方で、「子供捨てるシーンで傘くるくる回ってるのこわい」との声も。
このシーンのあとで登美子の置き手紙に「再婚する」旨が書かれていたことが判明したため、「傘をくるくるさせていたのは子供たちへの返事かと思ったがルンルン気分だったからなのだろうか」「今生の別れなのにずいぶん楽しそうじゃないか」「別れを惜しんでるのかと思いきや…自分の未来にウキウキなのがわかる傘クルクル」と受け取った人もいたようだ。
関連記事:『あんぱん』初回からコンプラ意識? いじめシーンが“予想外の展開”になり…「ほっこり」「良心的」
■詩集では「蝶のよう」との表現が
ちなみにこの別れのシーンは嵩のモデルとなった、やなせたかし氏の詩集『やなせたかしおとうとものがたり』(フレーベル館)に挿絵とともに描かれており、「母のパラソルは蝶のように麦畑の中を遠ざかっていった。母は何度かふりかえった。ぼくらはそのたびに手をふった」との記述が。
著書の内容から、ドラマでも蝶のようにひらひらと揺れ動くパラソルを表現したようにもとれる。視聴者の中には「振り返りたくとも振り返れない、子供に声を返さない(決心が鈍る)気持ちの表れを、回すパラソルで表現したとしたら……演出として泣かせるし、これがもし松嶋菜々子さんのアドリブだったとしたらすごいわ……」と考える人もいた。
・合わせて読みたい→『あんぱん』嵩の思い出のパン屋、看板の“文字”を逆から読むと… 「まさか」「関係ありそう」
(文/Sirabee 編集部・今井のか)