「子育て環境に全く不安がない」自民支持層では無党派の2倍を超える謎【衆院選2014】
11月下旬、今年の紅白出場も期待されていた女優の松たか子さん(37) が、第1子妊娠を発表。それに対して、「妊娠で稼ぎどきを逃した」という関係者コメントを掲載した週刊誌の記事が、ネットで多くの批判を浴びた。
*参照:「松たか子は妊娠で稼ぎ時を逃した」 関係者コメントに大批判「世界よ、これが少子化大国日本だ」(キャリコネニュース)
10月には、「日本男子は、なぜベビーカー女子を助けないのか」と題したコラムが、同じく炎上。少子化の原因は、若年人口の減少、晩婚・非婚化、保育施設の不足による待機児童などインフラの問題と言われるが、こうした発言を大手メディアが掲載しているような社会環境も、現在・将来の子育て世代に大きな不安を与えていることは、想像に難くない。
国の「待機児童解消加速化プラン」などにより、保育所定員は増えつつあり、待機児童数も4年連続で減少。しかし、平成27年度から始まる「子ども子育て支援新制度」にかかる1兆円超の費用のうち、7000億円は消費税10%による増収分を見込んでいるため、増税延期が決まれば支援制度も後ろ倒しされる可能性が高い。
そこで、しらべぇ編集部では、全国の有権者222名に「日本の子育て環境への不安」について聞いてみた。
Q.将来的に子どもを育てるにあたり、現状の日本の環境で不安に思うことはありますか?
・とてもある:39.2%
・まあある:34.7%
・あまりない:14.4%
・全くない:11.7%
73.9%が「ある」と回答。これは現役・未来の子育て世代の比率を超えているため、今は子育てに直接関わっていなくても、孫のことを想像したり、少子高齢化を憂う人がある程度いるものと想像される。
■無党派層と自民党支持層の意見は大きく異なる
【とてもある+まあある】
・支持政党なし:76.0%
・自民党支持層:59.6%
【全くない】
・支持政党なし:10.3%
・自民党支持層:21.2%
支持政党を持たない、いわゆる無党派層と自民党支持層では、「ある」と答えた人の割合に16.4%の差が出た。自民党支持で「全くない」と感じる人は、 無党派層の2倍を超えている。
安倍政権のこれまでの子育て支援で十分だと思っているのか、財源となる消費増税が延期されても支援の拡充を期待しているためか。さらに年齢要因も考えられる。
■自民党支持層は55.7%が50代以上
回答した自民党支持層では、50代以上が55.7%と半数を超える。選挙の際、政治家は自らの支持層に心地よい政策、公約を語りがちだ。「シルバー民主主義」化を防ぐために、子育て世代、高齢者ともに、有権者の想像力が問われている。
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年11月28日(金)~12月1日(月)
対象:全国20代~70代 男女計220名
(文/しらべぇ編集部)