「ムーバ」登場25年で調査、失われた電話番号の記憶とは
たまたま、スマホを自宅などに忘れて出かけてしまったとき。すわ連絡をと、めっきり数を減らしている公衆電話を探し、ようやく見つけたとしよう。
「いま、スマホを持って出るのを忘れてるから、LINEもメッセンジャーも返事できないし、電話にも出られない」
こう一言、大切な人に伝えたいだけなのに、プッシュボタンの押しようがないという人も多いことだろう。
電話番号は、スマホに格納されている電話帳の中である。いちいち覚えていない。
「大切な人の電話番号、あなたは覚えていますか?」
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■「覚えている」に性別で差
しらべぇ編集部の調査によると、「恋人やパートナー、両親などの電話番号は記憶していてそらんじることができる」という人の割合は20.1%。
性別では、男性が16.2%で女性が23.9%と、女性のほうが「覚えている」率が高かった。
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■性年代別では差がくっきり
さらに調査を進めて性年代別では、「覚えている」率が最も高くなった60代女性の30.6%に対し、最も低い30代男性は8.9%。
30代男性の10人に9人は、スマホや手帳などがない状況下で十円玉1枚を握って公衆電話の前に立ったとき「大切な人」への連絡をつけることができない傾向にあるといえる。
自身が災害や事故などに遭遇したとき「ご家族の連絡先は?」と問われることも考えられるが、困ることにならないだろうか。心配である。
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■ドコモ「mova」25年
そういえば今年は、NTTドコモに「mova(ムーバ)」ブランドで小型携帯電話が登場して25年になる。
ムーバの愛称は、1991年4月、アナログ方式(1G)の電話機「TZ-804型」に初めて与えられた。同電話機の重量は230グラム。ひとつ旧型の「TZ-803型」では640グラムだった。
当時、DDIセルラー(現在のau)が先行していた「小型携帯」への対抗機種として開発を急いだとされる。
「mova」の名称は英語の 「movable(動かせる、移動する)」の最初の4文字m・o・v・aから採ったもので、超小型携帯電話の大きな特長である携帯しやすい、すなわち「移動しやすい」を表現したものです(「NTTドコモ歴史展示スクエア」Webサイトより)。
ムーバは、デジタル方式(2G)への移行を経て爆発的に普及。デジタル「3G」方式への完全移行で引退する2012年3月までブランドとして生き残った。
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■失われつつある「記憶」
携帯電話が広まる以前は、ダイヤルを回したりボタンを押す機会が多くなる「大切な人」の電話番号を頭と指が自然に覚えていたものだ。
大切な人の「掛け持ち」事情などから、複数の番号を脳内にたたき込んでいた猛者を見かけたこともある。「手帳などのメモに残すと『足がついてバレる』」という理由だろう。
現在でもスマホの「電話帳」をきっかけに、「掛け持ち」が露呈するなどゲスな事態に陥ることがあるようだから、そのへんの事情は昔も今も変わりなさそうだ。
なんにせよ「大切な人」の電話番号は、いくつかをできるだけ暗記しておくべきなのかもしれない。
(文/しらべぇ編集部・前田昌宏)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年11月20日~2015年11月24日
対象:全国20代~60代の男女1,371名