「障害者にとっての乙武洋匡」という存在を探る
今回の不倫騒動が、これからの活動にどのような影響を与えるのだろうか。
出馬を表明したところ、週刊誌に不倫を報道された話題になった乙武洋匡氏。その炎上はおさまるところは知らない状況である。
乙武洋匡氏といえば、重度の身体障害者であることを思い浮かべる人も多いだろう。実際、彼のこの失態は障害者界隈ではどう見られているのか。そして、今回の騒動についてどう思っているのだろうか?
しらべぇ取材班は身体障害のある30代の男性に話を聞いてみた。
■乙武洋匡さんの不倫報道をどう思った?
「一言で言えば、巨星墜つ、という気分だな。正直、こういう報道があったとき、驚きはなかった。少なくとも、俺は彼のことを聖人君子だと思っている人間ではなかったからね。
車いすだから入店拒否されたと飲食店を名指しでクレームつけた件があったろう。あれで俺は呆れた。影響力のある人物がひとつのお店をイジメている構図に感じられて、大人げなかった。名指しだったしな。
ネットに精通している身体障害者は、乙武さんのことをよく思っていない人も多いんじゃないかな。でもね。実際、良くも悪くも影響されてる人物ではあるけれども」
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■乙武洋匡さんはどんな存在?
「俺らの親世代は盲信してるんだよ。あの人が注目を浴びたことで、俺も親に見習え見習えと言われたもんだ。『乙武さんのように明るく強くあるのが正しいんだ!』と、『身体障害のことで愚痴るのは間違っているんだ!』と。
世間の障害者への見方を変えたというのは功績だと思う。『五体不満足』は聖典のように扱われているとも思う。その分、何度も何度も比較されたことで、反発したい気持ちも溜まってるんだよね。
だから、盲信している人たちにとっては、今回の件はショックが大きかったかもしれない。俺としては、不倫ぐらいするだろ。金も知名度もあるんだしさって気分だけどね」
ツイッター上の乙武氏は、自身のハンディキャップをネタにしたブラックジョークを好む人物として知られていて、実際、炎上することも多かった。
ネットに精通していれば、彼が不倫をやらかしたとしても、そう違和感を感じないのも不思議ではないかもしれない。しかし、TVや書籍だけで知っている人間にとっては、彼は身体障害者の星のような存在だったようだ。
今回の不倫騒動が、これからの活動にどのような影響を与えるのだろうか。
(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)