【松澤千晶のアニメめくるめく世界】百合姫?百合男子?百合属性の名称を考える。
こんにちは、松澤千晶です。私はアニメを見ることが大好きなのですが、その中でも特に、女性同士の関係性「百合」に惹かれてしまいます。
最初のコラムでもお伝えしましたが「マリア様がみてる」を筆頭に、昨今のアニメ作品は百合の描写が感じられるものが多く、百合戦国時代に突入する勢いです。
しかしながら「百合」が咲き乱れるこの時代にも関わらず、ボーイズラブを好む女性を「腐女子(男性ならば腐男子)」と言うことに対し、百合を好む男性(もしくは女性)の名称が明確にされていないことに私は戸惑いを隠せません。
もちろん呼び名はいくつかあるのですが、そのいくつか出てきているという状態こそが定まっていない証なのです。
■百合属性の名前を列挙
もちろん、無理に決める必要は全くありませんが…ここで今一度、確かめてみませんか?百合属性の名称を…
・まずは定番の「百合姫」
こちらは漫画雑誌の名称にもなっているほどで、スタンダード且つ正統派な呼び方です。「姫=秘める」という想いも込められていて可愛らしいのですが…まだ少し、もう少し、何か欲しいのです…!
・「百合男子」もしくは「百合女子」
百合男子という漫画も出ていますね。言葉そのものからは、百合が大好きな男子(もしくは女子)という気持ちがとても伝わってくるのですが、腐女子と比べてしまうと弱い気がしてなりません。おそらく戦わせたら瞬殺されます。
・ 「姫男子」
可愛過ぎますね、却下。
・「百合男爵」
個人的に気になったのがこちら。「腐女子」の進化系とも言える「貴腐人」と並んでも見劣りしない麗しさがあります。また「男爵」という響きに何とも言えない変態さを感じますね。
・ 「百合豚」
これまでの名称に比べると、こんなことを考えてしまう自分は何て醜いのだろう…という罪の意識が感じられ、非常に良いのですが…決してブヒブヒと萌えたいだけではないのです、時には苦しんだり、嘆いたり、恍惚としたいのです。
・「百合屑」
成れの果て感が凄いですね。
・「覚百合(さゆり)」
これはなかなか、覚醒した感じがありますね。私、覚百合!なんて良いかもしれませんが、浸透するか否か…「百合」に目覚めたときに使うと良いかもしれません。
・「百合根(ゆりね)」
もはや使われてもいないと思いますが、ふと聞こえたものを拾ってみました。「やさい」が男性同士、「くだもの」が女性同士の関係性を指す隠語として存在しますから、そのようなニュアンスも含めた上で、地下での密やかな感じが伝わってきます。属性というか、これも覚百合と同じようなものを感じますね。俺の百合根が疼くぞ…みたいな。
・「病百合(やまゆり)」
これは…闇を感じます、闇の百合です。
・「百合貴族」もしくは「百合帰属」
耽美さが伝わってきますが、後ろめたさが足りない気がします。帰属の方は縛られて身動きの取れない感じが良いですね。
・ 私も考えてみました「百合鴨女」
百合が好きな女性陣をこう呼べば…すみません、ただのゆりかもめです!
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■結論「百合は深い。」
酔いしれたいけれど業の深さを感じたい…そのような考えは自意識過剰なのかもしれませんが、「百合」というものは単純に可愛いだけではない「何か」があるのです。「腐女子」という単語には奥ゆかしさを、「腐」という文字そのものには罪深さを感じますから…。
可愛らしく、美しく、しかしながら後ろめたさも感じたいなんて、欲張りでしょうか?個人的な見解としては、百合という花そのものが初夏にしか咲かず腐りやすいことから、儚さや醜さも含めて魅力なのではないかな、と思います。
どうやら「百合」というものは、まだまだ一言では片付けられそうにありません…そんなところも、魅力のひとつなのかもしれませんね。
※写真はガチ百合です。
(文/フリーアナウンサー・松澤千晶)