憧れの量産型モビルスーツは?新興国でガンダムが人気
『機動戦士ガンダム』に出てくるモビルスーツは、今や世界中の人々の憧れである。ガンプラの販売イベントは日本だけではなく世界、しかも新興国でも開催されているほどだ。
平均月収が数万円に過ぎない国で、関税のかかった日本製プラモデルを買う。これは日本人が考えている以上に大変なことだが、それでもあっという間に売り切れてしまう。ガンダム人気は、まさに地球規模の大きさなのだ。
■ザクとジム、ほしいのはどっち?
ガンダムの魅力は「量産機」である。ガンプラビルダーの中にも、ガンダムよりザクやジムのほうが好きという人がたくさんいる。
地球連邦軍を代表する量産型モビルスーツのジム、そしてジオン軍の「顔」とも言うべき名機ザク。この両機のいずれかが、もしタダでもらえるとしたら人気を集めるのはどちらであろうか?
ガンダムファンに調査した結果、「タダでもらえるとしたらザクがいい」という人が全体の6割以上となった。
時系列で見れば、ザクはジムよりもはるかに早く登場している。武装のバリエーションも多く、指揮官専用機はガンダムに対してもかなりの活躍ぶりを見せている。
人気があるのには、それ相応の根拠が存在するのだ。
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■ASEANとガンプラ
先述の「新興国でのガンダム人気」について、ここでもう少し詳しく説明しよう。ASEAN諸国は日本と距離が近く、その上ここ数年の経済成長が活発な地域である。社会を支える中間層も、年々増加している。
日本の高度経済成長期と今現在のASEAN経済成長とでは、大きな相違点がある。それは昔より今のほうが娯楽関連商品が圧倒的に多く、それに関する市場も形成されているということだ。
60年代の日本人は、年々上がる所得の余剰分を主に白物家電購入に投じていた。金の使い道がそれしかなかった、という表現がより正しい。だが現代は、可処分所得の投入先が多岐多様に渡る。その投入先の中のひとつにガンプラがある、ということ。
「ザクやジムへの憧れ」が、新興国市民の旺盛な消費を刺激しているという事実も存在するのだ。
(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年3月18日~2016年3月22日
対象:全国20代~60代のガンダム好きの男女205名