元ネタは特撮音楽!?モノブライトの最新アルバムの製作秘話
こんにちは、モノブライトのベース、出口です。 4月20日に、モノブライトのアルバム『Bright Ground Music』がリリースされました。
今回のアルバム製作では、「原体験に基づいた音楽」をひとつのテーマにしていたので、モノブライトが青春期を過ごした90年代の音楽の雰囲気が全体的に色濃く出ています。
ベースラインやリズムのアプローチにおいても、これまで聴いてきた多くの音楽が下敷きになっていますが、その中でも私が人生でもっとも長く聴いてきた音楽といえば、特撮音楽。
『Bright Ground Music』の製作時に、私が影響された特撮音楽を「リズムパート視点」でご紹介したいと思います。
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■オトナの魅力があふれる「夜の歌」
アルバムの最初を飾る曲「HELLO」は、ピアノとボーカルから始まる「男女の秘密の関係」を歌った曲。
ここまでアダルトな雰囲気の曲は、モノブライト史上初の試みでした。この曲のイメージソースは、『特捜戦隊デカレンジャー』(テレビ朝日系列)のED「ミッドナイト デカレンジャー」です。
楽曲を「アダルトな雰囲気」にする要素の根幹は、リズムにあります。
「ミッドナイト デカレンジャー」のリズムセクション(ドラムとベース)は全体的に音数が多く派手ですが、他のパートとの「駆け引き」が非常に巧妙で、曲の屋台骨を支えながら主役となる歌やホーンセクションの隙間で存在感を主張しています。
このリズムの駆け引きが「捜査官と犯人」、あるいは「男と女」の関係性を表現し、アダルトな雰囲気が醸し出されるのです。
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■ベースの基本にして最大の武器は「歌詞のリフレイン」
同じ歌詞のリフレインが印象的な「こころ」。
この曲のイメージソースは、『特捜エクシードラフト』(テレビ朝日系列)のED「ゴールは未来」です。
「こころ」では、ベースは特別なことはひとつもしていません。歌詞の強さを最大限に活かすため力強い「骨格」となっているのですが、これは「ゴールは未来」のベースラインも同じ構造。
曲に一番必要な音だけを選ぶことは、演奏的には「地味」な印象になりますが、歌詞を伝えるための最大の役割なのです。
淡々としながらも力強いベースラインには、歌詞にのせた想いを後押しする力が込められています。
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■思わず踊りたくなる、クールでアツいリズムの応酬!
今回のアルバムで、「演奏していて楽しいランキング」の上位になる曲が「末裔シンドローム」です。この曲イメージソースは、『星雲仮面マシンマン』(日本テレビ系列)のOP「星雲仮面マシンマン」。
それぞれの楽器が複雑な音符の配置で構成される中、メロディの隙間ですべての楽器が合わさるカタルシスが欲しかったので、「星雲仮面マシンマン」の複雑さとわかりやすさを参考にしました。
ポイントは、楽しくなりすぎて「勢い任せ」にならないこと。あくまでクールで軽やかに演奏する、これが一番難しかったですね。
楽曲製作の現場ではこれまで聴いてきたもの、見てきたものの影響がわかりやすい形で表出します。ベースという楽器を通して、私のこれまでの人生がそこかしこに現れていると言っても過言ではありません。
『Bright Ground Music』にはまだまだ紹介しきれない想いや元ネタがたくさん詰まっています。 ぜひ聴いて、ライブで体感してみてください。
(文/モノブライト・出口博之)