【教育コラム】男子校あるある
■ 男子校出身者は絶滅危惧種!?
みなさんのまわりに男子校出身者はいるでしょうか?もしいたらサインをもらっておいたほうがいいと思います。男子校出身者は、今や絶滅危惧種なのです!
全国に約5000の高校があります。そのうち男子校は約130校。2.5%しかありません。少子化の影響で、男子校や女子校が共学校になっていく傾向にあります。
一度共学化してしまうと、男子校や女子校に戻すことはまずあり得ません。男子校や女子校は減る一方なのです。それでも女子校は約6%ありますからまだましです。
「男子校」という言葉から、みなさんはどんなことを連想するでしょうか。
むさ苦しいとか臭いとか、あんまりいいイメージは出てこないかもしれません。でも、なんだか「おバカ」で楽しそうな感じがしませんか。 実際、男子校は、はっきり言って「おバカ」です。
異性の目を気にしないから、おバカな男子の本性がむき出しになります。授業中に平気でおならするし、休み時間は下ネタばかりだし。まったく着飾るということをしません。実際よく、意味なく裸になりますし(笑)。
■「男子校だからカノジョができない」はウソ
男子校出身者がよくいう台詞があります。
「高校時代カノジョがいなかったよ。オレ、男子校だったからさ」
というやつです。一瞬「なるほど」と思ってしまうかもしれませんが、だまされてはいけません。そういう人はきっと、共学校に行っていてもカノジョできていませんから!
むしろ、好きな女の子が同じクラスのイケメンと付き合っちゃって校内でいちゃいちゃしているのを目にしなくてすんだだけ幸せなのです。自分がモテないという現実から目を背けることができただけ恵まれた環境だったといえます。
それと関係することですが、男子校ではいわゆるオタク系に元気があります。鉄道研究会を始め、物理部無線班、クイズ研究会などの部員が誇りをもって堂々と学内を闊歩しています。
アイドルオタクだって女子から「キモい」などと言われることがありません。ヤンキー系のやんちゃ坊主と鉄道研究会のリーダーが一緒に弁当を食べているなんてこともざらです。
■男子校はオタクの楽園
思春期の子供たちの集団では、異性から見てイケてるかイケてないかという価値観によってヒエラルキーができてしまうことがありますが、それがないので、「みんな違ってみんないい」「お互いの得意分野を認め合う」という価値観になりやすいのです。
スポーツができて、コミュニケーション能力が高くて、異性からも人気の男子なら、きっと男子校に行こうが共学校に行こうが、いずれにせようまくやっていけるでしょう。でも、とくに異性から人気のないタイプには男子校は楽園なのです。
そういう私も楽園を謳歌したひとりです(笑)。
おかしなことばかり話題にしましたが、ちょっとまじめな話をすれば、男子校とは、異性からの目とか他者からの評価に惑わされず、徹底的に自分と向き合うことができる環境だといえるのです。思春期の一時期くらい、男子校を経験するのもいいのではないかと思います。
ただし、まったく女の子と話せなくなっちゃうというのも考えものですから、学校以外の場所で、女のことと話す機会を積極的につくるようにしたほうがいいとは思います。その意味で、男子校生にとって、塾は貴重な異性とのコミュニケーション訓練の場でもあるのです(笑)。
<書籍紹介>
『男子校という選択』
(おおたとしまさ著、日本経済新聞出版社、850円+税)
共学化が進む中、中高の思春期を男だけで過ごすその利点とは何かに迫る。
※この記事は全国のFMラジオネットワークJFNの「OH! HAPPY MORNING」のコラボ企画です。記事の更新は隔週木曜日10:30am。記事更新の約10分前から、おおたとしまさがこのラジオで記事と同様の話をおしゃべりします。
(文/おおたとしまさ)