【熊本震災】「不謹慎狩り」にせっせと励む勘違いネット民の素顔
4月14日に起こった熊本震災。20日には、これまでに59名の死者が出たと発表され、いまなお安否不明者もいる。強い余震が続く中で、被災地は苦難の生活を強いられている。
そうした状況で、芸能人がSNS上で地震に関連する情報やコメントを発信するたび、ネット民から「不謹慎だ」と批判の声が聞こえているのである。
■ネットで不謹慎狩りが横行
これまでにネット民から叩かれた芸能人は、モデルで歌手の西内まりや、女優の長澤まさみなど。
西内は被災者を思ったコメントや「非常時に必要なもの一覧」を紹介する投稿をしていたのだが、これが「アピールだ」と一部から受け取られてしまったよう。
また長澤は、地震発生直後に女優のりょうたちと一緒に撮った笑顔の写真を載せたのだが、これがまた反感を買ってしまったのだ。
そうした中、お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔が不謹慎狩りに一石を投じるツイートをしたことが、各方面で反響を呼んでいる。
この指摘には、不謹慎狩りに違和感があった人々の多くが賛同した。
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■不謹慎狩りをするネット民の特徴
編集部では、こういった現象について詳しいITコンサルタントの30代男性に、不謹慎狩りが横行する背景を聞いてみた。
「こういった大災害が発生した場合に、世間の注目は被災地一点に集中します。そのとき話題の中心になるのは、もちろん被災された方々。
それと同時に注目されるのは、迅速に行動を起こして現地でさまざまなサポートをする人たちや、もしくは多額の義援金等で間接的に支援を表明する人たちです。いわば、助けを求める者とヒーローの図式ですね。
ですがこのとき、ネット上には事態のなりゆきを見守るどちらにも属さない傍観者が膨大にいる。彼らは震災のような緊急事態のときほど、自分がなんの注目もされない無力な一般人であることを逆にまざまざと思い知るわけです。
こういった蚊帳の外の人たちのねじれた承認欲求のようなものが、今不謹慎狩りといわれるような行動を起こすネット民たちの本質なのではないでしょうか。要は、不謹慎を取り締まった気で満足しているただのかまってちゃんってことですね」
こうした冷静な分析を見ると、不謹慎狩りはネットで巻き起こる炎上事案の背景にも通じるものがあるのかもしれない。