震災後に「地震雲」目撃者が増える理由とは

2016/04/25 06:30


Juhku/Photodisc/Thinkstock
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震災があると地震雲の目撃ツイートが増える。そんな現象に覚えはないだろうか。

実際のところ、地震雲には科学的な根拠はなにもなく、地震の後にその量が増えているのかもわかっていない。もしかすると、それを見つける人たちの心理状況になにか変化が起こっているのかもしれない。

しらべぇ取材班は心理カウンセラーに考察を聞いた。



Q.なぜ震災が起きると地震雲の目撃者が増える?

「普段は空を見ない人も、危機感を感じると視野が広くなって見るようになります。さらに地震雲を見つける方は、理由付けをしたくなる傾向があるんだと思います。枠にハマると落ち着くといいますか。


傾向としては『コレがいいよ!』と勧められると信じやすい方に多いです。地震雲も今のところ『疑似科学』の域を越えていませんし、真偽の区別がつかない情報に流されやすい傾向があると言えるのでは」


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Q.それって悪い傾向ですか?

「地震雲を信じる人には、情緒不安定になり周囲を注視している、ただ単に好奇心で探している、地震の予兆がないか自己対策している、の3つのタイプがあると私は考えています。


一般に、自分をしっかり保てていない人は、不安を煽られると詐欺にあいやすい傾向があります。そういう意味では、地震雲を真剣に信じこんでしまっているタイプの人は、やや危ういといえますね」


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Q.改善するためにはどうすれば?

「ネットの情報を鵜呑みにしないことです。慌てずに自分をきちんと保つことが大事ですね。理由があれば心は落ち着きますが、それに頼り過ぎないようにしたほうがいいでしょう。


不安で地震情報を探しすぎるのもよくありません。そうやって探すことで自分のなかの不安がどんどん強くなってしまいます。


頭のなかが不安でいっぱいになってしまっている時は、ワンクッションを置くことが大事です。楽しいと思える趣味の時間をもって、リラックスするのが一番効果的に改善されると思います」


未曾有の危機に晒されて心落ち着かなくなるのは仕方ないことだ。しかし焦れば思わぬ怪我をしてしまうことになる。だからこそ自分を見失わないように、一度深呼吸するようにしよう。

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(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ 取材協力:心理カウンセラー園絵

震災取材地震心理カウンセラー
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