わが子が消えても気づけない?探偵に聞いた行方不明問題

2016/04/26 06:30


©ぱくたそ
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2016年3月に発生した埼玉県朝霞市少女誘拐事件の後、全国で次々と少女が誘拐される事案が発生している。こうした報道を見ていると、自分の子供が誘拐されないか不安な人も多いだろう。

そこで、取材班は多くの行方不明事件を解決してきた北海道最大の探偵社「さくら幸子探偵事務所」の姉崎一美氏に話を聞いてきた。



■朝霞市の少女誘拐事件の印象は?

「はじめは少女が自発的に家を出たという意見が多かったですよね。誘拐ではなく、それが単なる家出で、しかも恋人に大切にされていたなら、そのほうが良かったなと」


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■未成年者の行方不明者は多い?

「たしかに、行方不明者は未成年であることが多いですね。ただ、未成年者となると、実際に探偵社に依頼する人はあまり多くありません。多くの方は警察に相談し、それでもダメなら探偵に相談するということが多いです」


警視庁の発表によれば、平成25年の日本の行方不明者の総数のうち、未成年の行方不明者は3割を占める。その多くは自力で家に帰るか、パトロール中の警察官に保護されることが多い。

そのせいか、子供の行方が分からなくなっても、お金をかけてまで探そうとする親は少ないのが現状だ。


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■子供がいなくなったとして、誘拐だと気づけるもの?

「難しいでしょうね。朝霞市の事件も、当初は行方不明事件として扱われていました。寝屋川事件では、残念ながら行方不明者の届け出が遅れましたし」


寝屋川事件とは、2015年8月に大阪府寝屋川市で発生した児童誘拐殺人事件だ。この事件では、少年と少女が行方不明となったが、実際に警察に通報されたのは翌日の昼。その間に犯人は児童に接触し誘拐……そして殺害した。


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■誘拐以前に、子供が行方不明になったことにすら気がつけない?

「恐らく難しいでしょう。寝屋川の件にしても、親の責任というより、社会の問題と捉えるべきです。


すべての家庭とは言いませんが、普段から学校から帰るのが遅かったり、素行不良が目立つ子供を持つ親御さんは、子供の姿が見えなくとも、じきに帰ってくるだろうと警察への届け出が遅れやすいんです。届出が遅れると、当然捜索も遅れる。


だからこそ、普段からコミュニケーションを増やし、早めに行方不明になったことに気が付く必要があります。


具体的な方法としては、まずは出来るだけ一緒に過ごす時間を取ってください。夕飯だけでも出来るだけ一緒に食べるなどして、子供の変化に気が付けるようにしましょう。


また、門限を設けておくことも大切です。誰かの家に泊まりに行くなら情報を共有し、異変を察知できる危機感を持ちましょう」


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■子供への愛情が誘拐事件を防ぐ

子供の失踪に早く気が付くためには愛情が不可欠だ。子に愛情を持たない親はいないが、その濃度が人によって違うことは、行方不明者に関わる人間にとって周知の事実である。

普段から子供にどれだけ愛情を注げるかが、我が子の安全を守るカギなのだ。

(取材・文/しらべぇ編集部・サナダテツヤ 取材協力/さくら幸子探偵事務所

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