不便さがトレンド!昔のものが今流行ってるワケとは
すっかり便利になった世の中。しかしながら、スマートフォンの普及により減少の一途を辿っていた「ある商品」が、若者の間で再ブームが起きているという。そのうちの3つを紹介したい。
①インスタントカメラ
インスタグラムなどの画像投稿型SNSが流行している中、若い女性の間でインスタントカメラ「写ルンです」が流行っているらしい。
理由として…
・その日の天候や光の量など、少しの変化で写真の色味がまったく変わること
・失敗が多い反面、奇跡的な1枚が生まれるかもしれないこと
・現像するまでどんな写真ができるかわからないワクワク感があること
技術の進歩により、一昔前のものは今よりも「劣る」と思われるかもしれない。だが逆に、そうした不便さが彼女たちに写真を撮る楽しさを実感させているようだ。
わざわざ「写ルンです」で撮った写真をスキャンして、インスタグラムにアップしている人も見受けられるほど。
②黒電話風イヤホンマイク
スマートフォンのイヤホンジャックにつけて使う、黒電話風のレトロなデザインの受話器。
持ち歩くのには少々不便で、小ネタ的もしくは家でノスタルジックな雰囲気に浸りたいときの製品なのかと思いきや、意外にも外出時に使われているようだ。
女性がスマートフォンで電話をする際、画面にファンデーションなどがついて汚れることもあるが、この受話器を使えば心配無用だ。そんな利点もあり、女性の利用者も多いという。
このくらいのサイズであればカバンに入れて持ち運べるので、とくに不便でもないのだとか。
③アナログレコード
ここ数年、全世界的に売り上げ枚数が増えていると話題になっているアナログレコード。
日本レコード協会が発表した「過去10年間の生産実績」のデータによると、流行の兆しが訪れた2014年から、現在ではさらに1.6倍もの枚数が売れているようだ。
日本ではきゃりーぱみゅぱみゅ、Perfumeをはじめ、ももいろクローバーZやでんぱ組.inc、BABYMETALなどのアイドル業界でもアナログレコードを出したことで、若者の間で再認識された。
アナログレコードを買う若者の心理として、「好きなアーティストがアナログレコードを販売したから買ってみた」「コレクションとして」といった、あくまで収集のためという側面が強いようだ。
また、ジャケットの世界観や、LP盤のような存在感に魅了され、部屋に飾るなどのインテリア的要素としても人気があるのだそう。
視聴するためのターンテーブルも1万円弱で購入できるものが登場しており、若者でも買いやすくなっている。最近になってアナログレコードを購入したという20代の女性は、
「これまでは、ただ流しながら音楽をサラッと聴いていましたが、視聴するために自分でレコードをセットし、針を落とすという作業のおかげで、これまで以上に音に耳を傾けるようになりました」
と語る。
どうやら、不便さがトレンドになっている世の中。便利になることで見落としていた何かを、若者たちが再発見できる時代でもあるようだ。
参考リンク:RIAJ
(取材・文/しらべぇ編集部・吉尾峻 )