ブラック飲食店をよく利用するのは若者 そこに潜む負の連鎖

2016/05/01 06:30


nikoniko_happy/iStock/Thinkstock
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日本の労働環境で一番厄介な問題となっているのがブラック企業だ。

我々が普段利用する飲食店にも該当するところは多く、それらの店を利用しないことは、不健全な企業を減らす意味で社会的意義があるとも言える。

しかし「ブラック飲食店」を避けている人はどれほどいるのだろうか。しらべぇでは、全国20〜60代の男女1352名を対象に調査を実施した。


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■京都とブラック飲食店の相性は悪い

結果、「ブラック飲食店を避ける」と答えたのは全体の31.6%で少数派であることが判明した。

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その中でも、京都は平均値より10ポイント近く高い結果になった。見栄を重んじる文化がある京都ではこのような店で食事をすることは、恥となると見えるのだろうか。

逆に平均値を大きく下回ったのは北海道だった。ブラック飲食店は比較的安価で利用できる傾向がある。試される大地とも称される厳しい環境で身に付いた合理的判断が、このような結果をもたらすのか。


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■年齢別結果がなんとも皮肉に…

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ブラック飲食店は安く利用できるからこそ、当然ながら若者たちに人気のようだ。しかし、その商品の安さは同年代の人材を使い倒すことで成立していることを忘れてはならない。

労働力としての若者を歯車として店舗を動かし、客としての若者たちから金を得る。ブラック飲食店が、まさに未来ある彼らをを食い物にしている構図が数字から見てとれる。

年齢を重ねるにつれて人々がお金を落とさなくなっているのは唯一の救いか。


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■実際に利用を避けている40代主婦に話を聞いた

「私も元々はお安く済むチェーンのお店をよく利用してたの。でも、うちの息子が実際に就職したら、心も体もボロボロになって帰ってきてね。もう許せなくなったの。


それから我が家では一切、その店を利用しないようにしてるのよね。一銭たりとも儲けさせてあげたくないわ」


報道によって企業が若者を食い潰している事実を知ってはいても、それはあくまで他人事でしかない。ブラック飲食店を利用する人たちは、当事者意識がないからこそ、お安さにつられて利用してしまう。

だが、その安さは、勤める若者たちの犠牲の上に成り立っていることは忘れてはいけないのだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ

qzoo

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2016年3月18日~2016年3月22日
対象:全国20代~60代の男女1352名(有効回答数)

ブラック企業飲食店調査
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