これぞ庶民感覚!スイートルームやファーストクラスの経験率
「欲しがりません、いつまでも」をスローガンに、私たちは20年続くデフレ不況下で財布の紐をきつく縛り上げることに専念してきた。
慎ましい毎日を送る庶民にとって、スイートルームやファーストクラスなどほとんど耳にする機会もないが、最近、そんな庶民にとっての死語がにわかに脚光を浴びている。舛添都知事の公金濫用問題だ。
会議や移動にスイートルームやファーストクラスを使う必要はなく、「贅沢だ」というのが専らの批判だが、なにをもって贅沢とするかは意見がわかれるところだろう。
■ホテルのスイートルーム経験者はたったの2割
このような事案で引き合いに出されるのが「庶民感覚」である。しらべぇ編集部では全国の男女300名を対象に、スイートルームやファーストクラスそれぞれの経験率を調べ、庶民感覚の調査を行なった。
まず、ホテルのスイートルームである。およそ5人に1人が一度は泊まったことがあるという結果となった。いささか高いような気もするが、スイートの場合は下記のような納得の意見があった。
「新婚旅行でという方は、多いのではないかと?」(男性50歳・自営業)
不況とはいえ、GDP世界第3位の先進国に生きる住民である。人生に一度(例外もあるが)の旅行くらいは贅沢に、というのはうなずける。一方で、時代を反映したこんな意見も。
「都内のホテルのスイートはかなり泊まりました。リッツカールトンがやはりいちばん快適でした。マンダリンオリエンタルやフォーシーズンズも良かった」(男性40歳・公務員)
不況に強いことでお馴染みの公務員。公務員貴族という言葉が浮かんできそうな豪遊ぶりであるが、不況も20年続けば公務員を貴族に変えてしまうのかもしれない。
■ファーストクラスはもはや庶民には縁遠い
続いてファーストクラスの経験率を紹介する。
およそ10人に1人が乗ったことがあるという結果となった。
「9%の人が乗ってることにおどろきました! 会社のお金でビジネスがせいいっぱい」(女性41歳・専業主婦)
おそらくほとんどが同じ意見だろう。ちなみに、某航空会社の東京-ニューヨーク間の往復料金はエコノミー(419,800円)ファースト(2,177,800円)と5倍以上の価格差があった。
うっかり見栄でもはってしまって乗ってしまったのかしれないが、ファーストは乗用車一台分と見栄にしては値が張り過ぎだ。一生は自慢し続けないと元が取れないだろう。最後に、若者の意見を紹介しよう。
「格差つらい…」(男性22歳・学生)
車離れ、旅行離れなど、最近は若者がさまざまなものから離れているそうだ。価値観の変容もあるかもしれないが、単純に「金が無い」というのが最大の理由だろう。
生きること以外にお金を使いにくい世の中になっている。そんな彼らにとって、ファーストクラスやスイートルームはもっとも縁遠い存在かもしれない。
都知事には、多くの国民が生涯で一度も経験することなく人生を終えてしまうような高価なサービスを、血税を費やして利用しているという事実を知ってほしい。
・合わせて読みたい→珍作ファミコンソフト『舛添要一 朝までファミコン』で遊ぼう
(取材・文/しらべぇ編集部・中山)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」(アプリ版)
調査期間:2016年5月12日~2016年5月14日
対象:全国20代~60代の男女300名(有効回答数)