【時代劇】紅白出場に意欲?『水戸黄門』のうっかり八兵衛役でおなじみの高橋元太郎
“平成26年度人権を考える「県民の集い」”が2014年11月29日、埼玉県加須市の加須文化・学習センター「パストラルかぞ」で行なわれた。このイベントの目玉は、時代劇『水戸黄門』のうっかり八兵衛役を務めた高橋元太郎氏の人権講演会である。彼の芸能生活を振り返ってみよう。
■歌手としてデビュー
高橋氏は1941年1月15日生まれ、東京都出身の73歳。高校卒業後、証券会社に就職する。勤めを終えると、新橋の歌謡学校に行き、歌のレッスンを受けていた。
ある日、国鉄の電車に乗って有楽町で下車すると、ジャズ喫茶の「新人歌手募集」というポスターが目にとまり、オーディションを受けたところ合格した。
母の許しを得て“転職”すると、1年後に「スリーファンキーズ」の一員として芸能界デビュー。パワフルな歌声などが女性のココロをつかんだようで人気が沸騰した(高橋は2年後、ソロ歌手に転向)。
人権講演会では、『あゝ人生に涙あり』やスリーファンキーズ時代の曲などを歌い、自慢のノドを披露した。
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■演技がヘタだったら、悪党に殺されていた
TBSでは、1970年3月16日より『水戸黄門・第1部』の後番組として、『大岡越前・第1部』の放送を開始。高橋は「すっとびの辰三」という岡っ引き役で俳優デビューする。
第1回の試写会終了後、東映の人間が高橋のもとへ行き、演技をほめた。その直後、演技がヘタでどうしようもなかったら、“次回は捕り物の際、悪党に切り殺され降板させる”方針だったことを明かした。
その言葉に高橋は俳優業の厳しさを肌で感じた。『大岡越前』では、加藤剛、竹脇無我、大坂志郎、天知茂、片岡千惠藏など、そうそうたる顔ぶれがそろう。“歌手と俳優の両方をこなすのは、共演者に失礼ではないか”という思いから、俳優業の専念を決意した(現在は歌手活動を再開)。
『大岡越前』は第1~15部と、事実上の最終回スペシャルが制作され、各シリーズに出演したのは、主演の加藤と高橋だけだった(注、榊原伊織役の竹脇は、1回も出演していない部作が存在する)。
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■俳優2作目は『水戸黄門』の「うっかり八兵衛」
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高橋は『大岡越前・第1部』の後番組、『水戸黄門・第2部』にも出演。もちろん、本人の代名詞「うっかり八兵衛」役である。実は演技の勉強を1度もしていないので、「みんなに迷惑をかけたくない」、「負けてはいけない」などの思いが強く、一生けんめい演じていた。
ある日、初代水戸光圀役の東野英治郎から、「努力をすれば、ピラミッドのてっぺんまで登れる。その上をゆくには、人柄が大事」とアドバイスされ、肩の力がスーッと抜けたという。
高橋扮するうっかり八兵衛は、第28部までレギュラー。21世紀に入ってからは、1000回記念スペシャル、第40部、最終回スペシャルにも出演した。うっかり八兵衛役が“ピラミッドの上”でなければ、別の役で出演していたかもしれない。
蛇足ながら、2代目林家三平は、第40部より2代目八兵衛を演じた。ただし、肩書は「うっかり」ではなく、「ちゃっかり」である。
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■『NHK紅白歌合戦』出場と水戸光圀役に意欲
現在、高橋は連続テレビ小説『マッサン』で島爺を演じている。主題歌『麦の唄』を歌う中島みゆきの『NHK紅白歌合戦』出場が決まり、「島爺」として、“サプライズ出場”を心待ちにしていた。実現を期待したい。
さらに水戸光圀役にも意欲を燃やしており、助さん格さんに木村拓哉と香取慎吾、うっかり八兵衛役に中居正広をそれぞれ指名し、共演を熱望した。
(文・写真/しらべぇ編集部・岸田法眼)