クールビズにも格差の風、涼んでいる人の年収に「やっぱり」
環境省の肝いりで2005年夏、初めて着用の呼び掛けが行われた「クールビズ」。12回目のシーズンを迎えて、すっかり定着した感がある。
画像をもっと見る
■クールビズとは?
クールビズとは、会社員や公務員などを対象に環境省が提唱する夏のビジネス向け軽装のこと。上着なしのノーネクタイ・半袖といったスタイルでの出勤・勤務を呼び掛けることで、エアコンを使う場合でも電車やオフィスの室内温度を28℃に上げて省エネを図ろうというもくろみだ。
暑苦しいスーツスタイルからの解放を歓迎し、実践している人も多いことだろう。
関連記事:【黒スーツから解放となるか?】〇%の人は就活生も「クールビズ」に賛成!?
■「クールビズ」=4割
しらべぇ編集部が会社員・公務員を対象に行った調査によると、「職場(勤務先)がクールビズを導入している」という人の割合は43.8%だった。
ただし都道府県別では、北海道で36.7%と突出して割合が小さい。導入が進みにくい背景には、夏場の涼しさなどが考えられる。
■「高収入」ほどクールビズ
さらに調査を進めて年収別では、300万円未満の34.4%に対し1000万円以上では78.3%と収入が多い層ほど割合が大きい。新たな夏の風物詩として広く根付いてきたかに見えるクールビズだが、高い収入を得ている人が目立つ職場ほど導入が進み、恩恵を受けやすくなっているのかもしれない。
とらえ方によっては、格差社会を如実に反映しているといえそうだ。
関連記事:夏の男子のファッションチェック!短パン男性はナシ!?何を履けばいいの?
■28℃はあくまで「室温」
なお別の調査では、クールビズが提唱する室内温度が「暑すぎる」という声も聞かれる。
アンケートサイト「マインドソナー」を用いた調査によると、「エアコンの省エネ温度『28℃』を暑く感じている人」の割合は約56%と過半数に上る。
注意したいのは、クールビズが提唱している温度はあくまで「室内」の温度だということ。エアコンの設定温度を28℃まで上げてしまうと、室温が29℃を超えることもある。
暑すぎる職場の環境に疑問を感じるケースでは、温度計などを用いて実際の室内温度を測りながら、エアコンの設定温度を調整するといいだろう。
・あわせて読みたい→今年の夏はエアコンいらず? 使える暑さ対策を発表
(文/しらべぇ編集部・前田昌宏)
「職場(勤務先)がクールビズを導入している」
【調査概要】方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年4月22日~2016年4月25日
対象:全国20代~60代の会社員と公務員合わせて486名(有効回答数)