地図が変わる?距離でなく時間で見たら東京・栃木間より東京・福岡間の方が近い!
忙しいビジネスマンに与えられるわずかな休日。時間に制約があるなかで存分にエンジョイ出来る旅行先を探す…。そのための良い判断材料はないだろうか? 秋になるまでに、なんとか夏休みをとろうと画策している「かっこ株式会社」の成田です。
今回は、飛行機、電車、バス、フェリーなど、公共交通をカネに糸目を付けずに使い倒し(たと仮定し)、幣社オフィスの最寄り駅、東京「赤坂見附」から土曜日朝9時前後に出発してほぼ同じ時間で着くことができる全国人気観光スポットの分布を調べてみることにしました。
公共交通の進化は、想像以上に「距離と時間の関係を覆している」に違いない! 何より、この結果が「見える化」したら、俺の夏休みはめちゃめちゃ充実しそうじゃないか! そんな訳で、いつもならビッグデータと格闘しているデータ解析担当におやつを与え、データは小さいながらも分析してもらった結果を発表します。
■東京から京都の清水寺は、東京から日光「華厳の滝」よりも早く着く!
まず明らかになった意外な事実として、京都の清水寺(移動時間3時間18分)と栃木にある日光・華厳の滝(移動時間3時間47分)では、距離ではおよそ3倍も京都の方が遠いにもかかわらず、実際に移動にかかる時間を比べると清水寺には30分近くも早く到着できることが分かりました。新幹線は偉大ですね。
ちなみに東京のほぼ中心、赤坂見附から3時間30分前後で行かれるそのほかの観光スポットは、以下のような顔ぶれです。
・金沢21世紀美術館(石川県):3時間26分
・道頓堀(大阪府):3時間28分
・五稜郭公園(北海道):3時間30分
・中洲(福岡県):3時間30分
このように時間で比較したことで、飛行機を使ってしまえば、赤坂見附から距離で886km離れている福岡の中洲や、687km離れている函館の五稜郭公園の方が、実は119kmしか東京と離れていない栃木の華厳の滝に行くよりも短時間で到着できるという、薄々気づいていた事実が「見える化」されました。
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■交通の便が悪くて、時間がかかる伊勢神宮と地獄谷温泉
一方、赤坂見附から306kmの距離にある伊勢神宮(三重県)へ向かった場合、到着までにかかる時間は4時間44分です。赤坂見附から217km離れている地獄谷温泉(長野県)でも到着までに4時間40分かかるなど、公共交通縛りにした場合、距離以上に交通手段や本数の問題から大幅に到着までの時間が掛かってしまう「距離の割に遠い」観光地の存在も明らかになりました。
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■まとめ
「到着までにかかる時間」という切り口から、様々な観光地をマッピングしてみたことで、改めて交通の発達が実際の距離と時間の関係に大きな影響を及ぼしていることが分かった今回の調査。
しかし、ここまで調べておいてなんですが、目的地までの道のりに時間が掛かるほど、到着地の風景や体験がより特別なものに感じられたり、温泉が格別に気持ちよく有難いものに感じられたりするというのも事実。
結局、旅は「本当に行きたい場所」で「時間」なんて気にせずに楽しむのが理想ですよと、最後に三重県と長野県の観光地の皆さんに力強くフォローを入れつつ、レポートを締めくくることにします。
最後に、かっこのホームページでは、出発時間と交通手段、交通費などの詳細も表としてまとめてありますので、ご興味のある方は、ぜひ、チェックしてみて下さい。
http://cacco.co.jp/findings/report_0003/
(文/かっこ株式会社・成田武雄)