ドラマやフィクションの世界だけじゃない?身近にあった保険金殺人
保険金殺人とは、保険金をかけた相手を故意に死に至らしめることにより利益を得る悪質な犯罪だ。
保険金詐欺と殺人という2種類の要素が重なる性質上、悪質性が高い。また、その殺人は周到な計画が立てられることが多く、犯行に携わる人間も複数人となるのがほとんどだ。
■ヒットマンが雇われるケースも
2016年にマニラで発生した日本人保険金殺人事件では計画に関わった人間は最低でも4名。さらに殺害のために専門の人間(ヒットマン)を雇ったことまで判明している。
ここまでセンセーショナルな殺人事件はそう起きない。それゆえに、一度事件が起きればマスコミが挙って事件を取り上げるのだが、実際の保険金殺人は、我々のすぐ隣で不審死や自然死を装って行われていると言われる。
そこで、保険金殺人の調査を行なった経験があるという道内最大の探偵社「さくら幸子探偵事務所」の姉崎一美氏に、保険金殺人に遭遇した貴重な話を伺うことにした。
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■保険金殺人は存在した!?
Q.事件についての詳細をお聞かせください
「ある依頼者から連続した不審死についての調査を依頼されたことがありました。死亡したのはそれぞれ依頼者の関係者でしたが、彼らが死亡したことによって、あるひとりの人物に保険金が流れていることがわかったのです」
Q.その相手とは?
「死亡した人々の保険金の受取人となっていたのは、関東地方にある土木建築会社の経営者でした。この男性にすべての保険金が流れている事実に気が付いた依頼者は、不審死をとげた人々が死んだ本当の理由について調べようとしたのです。
しかし、自分ひとりで調べることは難しく、警察も保険金殺人の線を疑ってもいなかったそうです」
Q.そこで探偵に依頼を?
「そうなります。調査結果についての詳細は伏せますが、ともかく、その傾斜の素行について調べました。その中には相手の性格についても調べることがありましたが、たしかに素行が良いとはいえない相手であったのは間違いありません」
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■調査が緊急中止された?
Q.その調査の結果はどうなったんですか?
「いいえ、調査は最後までできませんでした。調査を中止せざるを得ない事態に陥ったんです」
Q.というと?
「依頼者が亡くなられたんです。しかも不審死です。これによって調査は中止するしかありませんでした。そもそも、探偵は依頼者がいなければ調査ができません。それに、これ以上調査を行なえば、さらに危険なことが増える可能性が出てくるかもしれないからです」
Q.それは、殺されたということですか?
「はっきりとしたことはわかりません。ただ、状況的に見て私達は危険だと判断し、調査を中止するかありませんでした」
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■保険金殺人は本当に存在する
保険金殺人はテレビやニュースの中の物語ではなく、さらに多くの事件が現実世界で起きている。さらに、その多くは警察には殺人事件として扱われず、ただの不審死、もしくは自然死という形で処理されている可能性が高い。
保険制度を悪用し、人を殺して大金を得る人々は必ずどこかに存在する。それは人目に触れず、ひっそりと行われているのだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・サナダテツヤ 取材協力/さくら幸子探偵事務所)