あったんだ!社畜に夏休み 「あめとムチ」で飼育と指摘も
夏休みシーズンを迎えた学校や大学をよそに、黙々と労働にいそしむ社会人。フランス人のバカンスとはいかないまでも、せめてスペイン人のシエスタくらいは見習わせてほしいものだが、現実は厳しい。
とはいえ社会人も、夏休みと無縁ではない。8月の旧盆前後で一斉に休める職場をはじめ、職場内で替わり合って休みを取るところも多いとされる。
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■社会人の半数に「夏休み」
しらべぇ編集部の調査によると、社会人で7月・8月に「夏休みが取れる」という人の割合は48.1%。職業別では、公務員(67.6%)が飛び抜けて高い数値を示す。
低いのは自営業(35.1%)と自由業(37.5%)。会社員は平均値に近い46.7%に夏休みがある。
さらに調査を進めて年収別では、1000万円以上で68.6%と数値が高くなる一方、年収が「わからない」などとする「不安定層」では28.0%と極端に低くなる。
半ば予想された事実ではあるが、これも「格差の拡大」というやつだろうか。
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■意外!社畜の夏休み
意外なのは、「社畜の自覚がある」層でも56.4%に夏休みの機会があるということ。こと夏休みに関しては社畜のほうが、自営業や自由業などの社畜とは無縁の層よりも恵まれている上に全社会人の平均よりも数値が高い。
これらを現代の奴隷・社畜が、「あめとムチ」で飼いならされている事実の表れだと指摘する向きもありそうだ。
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■埼玉県で「異常値」
都道府県別では、首都圏の一都三県で特徴的な「夏休み格差」が見られた。
神奈川(54.7%)と東京(52.0%)、千葉(51.3%)では、夏休みを取れる人が半数を超えるとともに平均値以上を示したのに対し、埼玉では平均値以下の37.5%と大きく差が付いている。
首都圏の社会人が心おきなく夏休みを楽しめるのは、内陸部ならではの猛暑にもめげず出勤し、休みなく働いて留守を預かる埼玉県民の下支えがあってこそといえるのかもしれない。
なお地方別では、近畿地方の54.1%で最も数値が高く、最も低いのは東北地方の34.2%だった。
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(文/しらべぇ編集部・前田昌宏)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年6月24日~2016年6月27日
対象:全国20代~60代の有職者男女662名(有効回答数)