「うつ病は甘えだ!」との考え 高所得者と社畜に多い理由
仕事のストレスや人間関係で、精神の安定が保たれなくなる。現在社会ではありがちだが、悪化するとうつ病になることも。
一昔前なら「うつ病なんて甘えだ」などの声も上がっていたが、現在は理解が広がっているか気になるところだ。
しらべぇ編集部にて「うつ病は甘えだと思う」かどうか調査をした結果、全体では15.3%にとどまった。うつ病への理解が浸透しているのは、安心できる材料だろう。
■上司の世代がうつ病への理解が低い理由
うつ病を甘えと思う人は少なくなっているものの、会社でうつ病であることを打ち明けるには面倒な部分がある。性年代別で見ると、40〜50代の男性で「うつ病は甘え」と思っている人が多い。
会社では、それなりのポジションにある人が多い世代。周囲の人はうつ病を理解してくれても、直属の上司が「そんなのは甘えだ」と思う可能性があるのだ。
また年収別では1,000万円以上が38.6%と、他を大きく引き離して多い割合になっている。たしかに社会的に成功をおさめている人は、人一倍に努力をしただろう。
ただ「自分もできたのだから、人もできる」と考えてしまう人が一部におり、結果、ブラック企業化してしまうのかもしれない。
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■うつ病の多い仕事に「うつ病は甘え」の考えが…
職業別でみると、さらに環境が複雑なのがわかる。
うつ病は甘えだと思っている人が多い職業は、会社員と公務員。どちらも組織の中で働き、多くの人間関係を築かなければいけない。それゆえにうつ病になりやすい環境にもかかわらず、無理解な人も多いのだ。
ちなみに無職・家事手伝いでは、9.2%と非常に少ない結果に。この中にはうつ病などの精神疾病を患い、働けない人もいるだろう。何事もだが、実際になってみないと分からないのが実情なのだろう。
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■社畜が「うつ病は甘え」と思うなんて…
なってみないと分からないのは、これを見ても明らかだ。
自分を社畜だと感じている人では、30.1%と高い割合になっている。社畜とうつ病は切り離せないものだと思えるが、「自分は我慢して働いているのだから、みんなも大丈夫だろう」と考える人もいるだろう。
「うつ病は甘えではない」との考えが一般的になってはいるが、めまぐるしい環境にいると自分のことで精一杯になってしまうのかもしれない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・ニャック)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年6月24日~2016年6月27日
対象:全国20代~60代の男女1,358名 (有効回答数)