手賀沼ジュンさんに習う「回文」のイロハ【双子タレント奈津子亜希子、人生体当たり!】
こんにちは!双子でタレント活動をしています、奈津子と亜希子です。
まずは奈津子から。大学受験の時期を迎えましたね。私は昔から、興味がある教科以外の授業はすべて妄想の時間か落書きの時間だと思っているような生徒だったので、この時期ニュースに映る受験生たちの精悍な顔つきをみると、それだけで拍手したくなります。
さて、授業中に私がノートに何を落書きしていたかというと、たわいもないイラストや、支離滅裂なポエム、そして上から読んでも下から読んでも同じ言葉の「回文」だったのですが、この回文の面白さにイチ早く目をつけ、更にお笑いと融合させて新たなジャンルを開拓して活躍されている回文アーティスト兼歌ネタ芸人の、手賀沼ジュンさんをご存知でしょうか。
「R1ぐらんぷり2012」準決勝進出、「歌ネタ王決定戦2014」優勝、NACK5での冠番組、そして雑誌「女性自身」の“ネクストブレイク芸人”枠で特集が組まれるなど、いまノリにのっている手賀沼さんに、できたら異性にモテちゃうかもしれない!?回文づくりのコツや、魅力についてたっぷり教えていただきました!
■転機となった回文づくり
亜希子(以下、亜):手賀沼さんが回文づくりをはじめたきっかけは何だったんですか?
手賀沼さん(以下、手):早稲田大学在学中に同じサークル内の小島よしおさんや、かもめんたる岩崎さんらと共にWAGE(ワゲ)というお笑いユニットを結成していて芸能界に入りました。解散してからはソロ活動をするようになりましたが、ずっと音楽活動を中心やっていきたいと思っていました。
回文にハマったのは、5年ぐらい前です。地元の柏から都内のバイト先まで移動時間が2時間程あったのですが、その間に思いついた回文をなんとなく自分のTwitterに投稿してたんです。そしたらある時、たまたま地元のおっちゃんと呑んでいる時に「その回文を使ってオリジナルの曲をつくってみれば?」と言われたので、思いきって作ってみたら、ライブで想像以上にお客さんに受けたんですね。それで「歌ネタ王決定戦」にも出演できたり…。スタートはそこからですね。
奈津子(以下、奈):手賀沼さんが作ってこられた回文作品の中で、お気に入りのものがあれば教えてください。
手:特に、というとこの2作でしょうか。
【夜、国木田独歩らとテトラポッド抱きにくるよ】
【よしっ!石原さとみと、皿、箸、一緒!】
双子:わぁぁぁ!本当だ!もう物語になってる!鳥肌たっちゃいました。
手:僕の夢は、将来、台詞がすべて回文の映画をつくることなんです。とても難しいと思うんですが、いつかやってみたくて。
双子:その際には、ぜひぜひ我々を主演女優にしてくださいッ!!
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■回文づくりの極意とは!?
手:回文作りは英会話と似ていて、いかに回文の単語を多く知っているかでバリエーションが変わってきます(例:トマトなど)。また、上から読んでも下から読んでも2通りの意味をもつ言葉も大事です(例:旦那→何だ、蝉→店、ビキニ→ニキビ)。その単語を並べた真ん中に「が」や「は」などの助詞をいれていくと、手始めは作りやすいです。
例えば、二ノ宮よう子さんという回文師の方が作られた名作のなかで、【ダメ男子、モテ期(が)来ても、死んだ目だ】という回文があります。
これは、「ダメ男子→死んだ目だ」、「モテ期→来ても」となるわけです。
また、フォーマットとして回文にしやすい導入と語尾というのもあります。例えば「夜、○るよ。」という文章です。試しに○の中に好きな文字を入れてみてください。
奈:奈津子の「な」をいれてみます!
【夜、鳴るよ。】
亜:亜希子の「あ」は?!
【夜、有るよ。】
双子:本当だ!「な」でも「あ」でもいける!
手:これは、○の中にあ行から始めて50音ほぼ全てが入れられちゃうという魔法の回文です。
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■私たちも挑戦!!
手:ではひとまず、好きな単語を言ってみてください。
亜:女系家族で育ったので「おんな」にします。
手:いいですね、女はひっくり返すと「ナンお(を)」になりますね。
亜:この単語を両方の意味で並べて…動詞を真ん中にいれると…。うわぁ、出来た!ナンを食べた女!!
手:いいですね。もっと簡潔にしても面白いですよ。
【難追う女】
双子:なんだか松本清張さんっぽい!
【南欧女】
双子:漢字を変えただけでヨーロッパの女性に!
奈:では私はいまちょうど目の前にある「サラダ」でいきます。「サラダ」は「だらさ」か…。難しいの選んじゃったかな…。あ!!!
【夜、みだらさ…サラダみるよ…】
亜:なるほど、きっとみだらにサラダをみたい気分になったんだね!
手:回文づくりのおもしろさは、うまくできた時にパズルのピースがはまったような面白さがあることです。紙とペンさえあれば作れますし、そこで出会えた斬新な文章は、回文というルールがあったからこそ導かれたアートだと思うんです。回文の面白さがより沢山の人に広まるといいなと思っています。
双子:私たちももう、すっかり回文のトリコになってしまいました!ありがとうございました!
皆様もぜひぜひお試しあれ!
(取材・文/奈津子・亜希子)