温水洗浄トイレはどこの国が作った?歴史を紐解くと…
トイレに関する疑問・お悩みを常に募集しております。今回寄せられた疑問は20代男性「ウォシュレットはどこの国が作った?」です。
「ウォシュレット」はTOTOの商品名です。製品名としては「温水洗浄便座」になります。TOTO以外の会社も温水洗浄便座は作っています。
TOTOの商品名として「ウォシュレット」の名前がついていることを勘違いしている方が多いので気をつけたいところです。
■初の温水洗浄便座は「ウォシュレット」ではない
世界初の温水洗浄便座は、医療用としてアメリカで開発されました。1964年、アメリカンビデ社の「ウォッシュエアシート」をTOTOが輸入、販売しはじめます。
国産初の温水洗浄便座は、伊奈製陶(後のINAX、今のリクシル)が1967年10月に発売した、温水洗浄便座付き洋風便器「サニタリーナ61」です。
ウォシュレットの発売は1980年6月ですから、随分前にやられてたわけです。
TOTOは1967年にアメリカンビデ社より特許を取得し、「ウォッシュエアシート」の国産化に踏み切ります。
しかし、初代ウォシュレットの発売まで、完成された商品は少なく、広告展開も難しいとされていたので普及には至りませんでした。
なぜなら、温水洗浄便座はお湯の温度を安定させることや水の角度が難しいなど、かなりの技術が必要だったのです。
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■ウォシュレットは累計4,000万台
「ウォシュレット」は、TOTOの開発担当者、本村久さんを中心に作られました。発売累計台数は4,000万台を突破したそうです。
1980年代後半から各家庭の洋式トイレ化が進んだことも温水洗浄便座の普及に一役かっていると思われます。
2012年には日本機械学会から初代のウォシュレットGが機械遺産に認定されるなど、もはや国の「宝」となっている技術です。
プロジェクトXの「革命トイレ 史上を制す」の回に開発秘話やドラマチックなことが描かれていますのでぜひチェックを。
ちょっと振り返っただけでもかなりの情報があります。奥が深い温水洗浄便座、また掘り下げていこうと思います。
それではまたどこかのトイレでお会いしましょう。ジャー。
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