まるでボージョレヌーボー?台風を表現するNGワードと規則とは
今年、日本に上陸した台風はすでに5個を記録。今発生している台風16号も九州に上陸し、日本を縦断するのではと言われている。
これだけの数が上陸するのは、ここ10年で最多だ。
■「当たり年」は不適切
「今年は台風の当たり年」なんて言葉を目にするが、実は不適切な表現。
当たり年の意味は「農作物の収穫が多い年」「幸運に恵まれた年」であり、被害をもたらす台風がたくさん来ても『幸運』と感じる人はいないだろう。
また、最近は「弱い台風」という表現も廃止されている。これは、「弱い」=雨風がそうでもないと連想させ、危険性を過小評価した人が被害に遭うケースが多かったため。
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■まるでボージョレヌーボー?
そんな中、ここ最近の台風報道が「まるでボージョレ」と話題になっている。
なんか最近、来る台風がみな「かつてない巨大な」的な枕詞を携えてて、そこはかとなくボジョレー感ある
— よっ☆すぃ~ (@yossy214) September 14, 2016
台風「10年に1度の勢力を持った台風26号を超える」
ボジョレー「10年に一度の当たり年」
カープ「25年に一度の優勝」— 我月蓮花📎 (@gadukirenka) September 11, 2016
確かに、「○年に一度の〜」という表現を聞くと、不謹慎ながらボージョレを思い出してしまう。
今年の台風に関して特徴的なものをまとめると、以下のように。
・1号:統計がある1951年以降、過去2番目の(発生の)遅さ
・10号:観測史上初めて東北地方太平洋側に上陸
8月中に日本列島に4個も台風が上陸するのは観測史上初
観測史上初めての事態(進路)
・14号:今年最強、史上最強、スーパー台風
ちなみにここ最近のボージョレはこうだ。
・2011年:近年の当たり年である2009年に匹敵する出来
・2012年:史上最悪の不作だが品質は良い
・2013年:みずみずしさが感じられる素晴らしい品質
・2014年:2009年を超える50年に一度の出来
・2015年:今世紀で最高の出来
やっぱり、なんとなく似ている。
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■表現ってどうやって決まる?
「猛烈に強い台風」などはよく聞くが、どうやって決まっているのだろうか。
実は、これらを決めているのは気象庁。
台風のおおよその勢力を示す目安として、風速(10分間平均)をもとに台風の「大きさ」と「強さ」 を表現する。 「大きさ」は強風域(風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲)の半径で、 「強さ」は最大風速で区分している。
<強さの階級分け>
・強い:33m/s以上~44m/s未満
・非常に強い:44m/s以上~54m/s未満
・猛烈な:54m/s以上
<大きさの階級分け>
・大型(大きい):500km以上~800km未満
・超大型(非常に大きい):800km以上
台風の大きさと強さを組み合わせて「大型で非常に強い台風」のように呼んでいるのだ。つまり、この情報だけで台風の大体の規模がわかるということ。
今北上している、台風16号は非常に強い台風。被害には十分に気をつけたい。
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(取材・文/しらべぇ編集部・たつきあつこ)